Windows.old や「一時ファイル」は消してよいか ── ストレージセンサーとディスククリーンアップの使い分け
· 小村 豪 · Windows, Windows 11, Windows 10, ストレージ, ストレージセンサー, ディスククリーンアップ, Windows設定
更新履歴(初版のみ・2026年11月03日公開)
- 初版公開
この記事を引用する(DOI: 10.5281/zenodo.23916660)
この記事はZenodoにアーカイブされています。常に最新版へ解決されるDOIと、いま表示している版に固定されたDOIの両方を下に示します。
小村 豪(2026)「Windows.old や「一時ファイル」は消してよいか ── ストレージセンサーとディスククリーンアップの使い分け」合同会社小村ソフト. https://doi.org/10.5281/zenodo.23916660 https://comcomponent.com/blog/windows-old-temp-files-safe-to-delete/
- DOI(最新版)
- 10.5281/zenodo.23916660
- DOI(この版)
- 10.5281/zenodo.23916661
Cドライブの空きが少なくなると、Windowsの設定に「一時ファイル」や「以前の Windows インストール」が大きく表示されます。エクスプローラーでは Windows.old という大きなフォルダーも見つかります。
先に答えを書きます。
- Windows.old:前のWindowsに戻す必要がなければ消して構いません。ただし、消すと戻せません。アップグレードから10日たつと自動で消えます。アップグレードのしかたによっては自分のファイルが残っているので、消す前に中の「ユーザー」フォルダーを確かめます。
- 「一時ファイル」の項目:多くはWindowsが作った作業用のファイルです。ただし「ダウンロード」とごみ箱には自分のファイルが入っているので、中身を見てから消します。
- WinSxS とページファイル:WinSxSは手で消してはいけないとMicrosoftが警告しています。ページファイルもWindowsが動くために使うので、空きを増やす目的で消す対象にはしません。
判断の基準は「消したあとで、元に戻せなくなるものがあるか」です。この記事はWindows 11とWindows 10を使う人に向けて、2026年11月3日に確認したMicrosoftの資料をもとに書いています。Windows 11の画面の名前はWindows 11 Enterprise 評価版(26H2)の仮想マシンで確かめました。ただし、新しく入れたWindowsなのでWindows.oldがなく、Windows.oldを消す操作は試していません。Windows 10の画面も確かめていません。画面の名前や既定値は、お使いのWindowsのバージョンで確かめてください。
消してよいかは「戻せなくなるもの」で決まる
Cドライブに並ぶ大きなファイルは、置かれた理由で3つに分けられます。Windowsが作業のために一時的に作ったもの、自分が保存したもの、Windowsが動くために使っているものです。
1つ目は、Microsoftの資料が消してよいとしているものです。2つ目は、消すと自分のファイルがなくなります。3つ目は、手で消すとWindowsが正しく動かなくなるおそれがあります。
flowchart TB
accTitle: Cドライブの大きなファイルを3つに分ける
accDescr: Cドライブの大きなファイルを、Windowsが作業用に作ったもの、自分で保存したもの、Windowsが動くために使っているものに分け、それぞれ消したときの影響を示します。
A["Cドライブの大きなファイル"] --> B["Windowsが作業用に作ったもの"]
A --> C["自分で保存したもの"]
A --> D["Windowsが動くために使うもの"]
B --> B1["消してよい(資料が消してよいとしている)"]
C --> C1["消すと戻せない(中身を確かめる)"]
D --> D1["手で消さない(専用の方法を使う)"]
図1: 消してよいかは、そのファイルを誰が何のために置いたかで決まる。
Windows.oldは少し特別です。Windowsが作ったものですが、消すと「前のWindowsに戻す」という選択肢がなくなります。アップグレードのしかたによっては、自分のファイルが入っていることもあります。次の節で詳しく見ます。
図の実線は常に成り立つ関係、破線は条件付きの関係です(成立条件は詳細ページの各関係の説明に記載)。関係すべての一覧(全7件、根拠・確度つき)と主要概念の定義は知識マップ詳細ページにまとめています。データ: JSON-LD / Turtle
Windows.old とは何か
Windows.oldはWindowsを新しいバージョンにアップグレードしたときに、前のバージョンのWindowsが入るフォルダーです1。アップグレードのあとで不具合が出たときに、前のWindowsへ戻すために使われます。
前のWindowsへ戻せる期間は限られています。Microsoftのサポート記事は、ほとんどの場合、戻せるのはアップグレードから10日間だと説明しています2。10日たつと、前のバージョンのWindowsは自動でPCから削除されます3。
戻すためには、次の条件もあります2。
windows.oldと$windows.~btフォルダーの中身を、アップグレードのあとも残しておく- アップグレードのあとに追加したユーザーアカウントを削除する
- アップグレードにUSBドライブを使った場合は、そのUSBドライブを用意する
flowchart TB
accTitle: Windows.old ができてから消えるまで
accDescr: アップグレードでWindows.oldができ、10日以内なら前のWindowsへ戻せ、10日を過ぎると自動で削除され、途中で自分で消すと戻せなくなることを示します。
A["新しいバージョンへアップグレード"] --> B["Windows.old ができる"]
B --> C{"アップグレードから10日以内か"}
C -->|"はい"| D["前のWindowsへ戻せる"]
C -->|"いいえ"| E["前のWindowsは自動で削除される"]
B -.-> F["自分で消すと、その時点で戻せなくなる"]
図2: Windows.old は前のWindowsへ戻すためのもので、10日たつと自動で消える。
10日を待たずに空き容量を増やしたい場合、新しいWindowsでファイルや設定に問題がないと確かめられたなら、自分で消して構いません3。ただし、消したあとは前のWindowsに戻せません。Microsoftもこの操作は元に戻せないと書いています3。
自分のファイルが残っていることがある
Windows.oldにはシステムのファイルだけでなく、自分のファイルが入っていることがあります。アップグレードのときに「保持する項目の選択」で「何もしない」を選ぶと、個人用ファイルは新しいWindowsに移されません。移されなかった個人用ファイルは、Windows.oldフォルダーに10日間だけ保存されます4。このときにWindows.oldを消すと、そのファイルも一緒に消えます。前のWindowsに戻すつもりがなくても、先に中身を確かめます。
Microsoftが案内している取り出し方は次のとおりです4。ほかの利用者のフォルダーを開くので、管理者の権限が要ります。
- 管理者の権限を持つアカウントでサインインする
- エクスプローラーで C: ドライブの
Windows.oldフォルダーを開く - 「ユーザー」フォルダーを開き、自分の利用者名のフォルダーを開く
- ドキュメント、ピクチャ、デスクトップなど、要るファイルがあるフォルダーを開き、ファイルを別の場所へコピーする
Windows.old を消す手順
MicrosoftはWindows.oldを消すいちばん簡単な方法として、設定アプリを使う方法を案内しています1。この操作には管理者の権限が要ります3。
Windows 11 の場合1
- 「設定」を開く
- 「システム」→「ストレージ」を選ぶ
- 「クリーンアップ対象候補」を選ぶ
- 「以前の Windows インストール」にチェックを入れる
- ファイルのサイズが表示された「クリーンアップ」ボタンを選ぶ
Windows 10 の場合1
- 「設定」→「システム」→「ストレージ」を開く
- ストレージ センサーの欄で「領域を自動的に解放する方法を変更する」を選ぶ
- 「今すぐ空き領域を増やす」の欄で「以前のバージョンの Windows を削除する」にチェックを入れる
- 「今すぐクリーンアップ」を選ぶ
項目名はMicrosoftのサポート記事の日本語版の表記に合わせています。お使いのWindowsのバージョンで表記が違う場合は、英語版の記事にある「Previous Windows installation(s)」(Windows 11)や「Delete previous version of Windows」(Windows 10)に当たる項目を探してください1。
flowchart TB
accTitle: Windows.old を消す場所
accDescr: 設定のシステムのストレージから、Windows 11ではクリーンアップ対象候補の以前の Windows インストールを、Windows 10では領域を自動的に解放する方法を変更するの中の以前のバージョンの Windows を削除するを選ぶことを示します。
A["設定 → システム → ストレージ"] --> B{"Windowsのバージョン"}
B -->|"Windows 11"| C["クリーンアップ対象候補"]
B -->|"Windows 10"| D["領域を自動的に解放する方法を変更する"]
C --> E["以前の Windows インストール"]
D --> F["以前のバージョンの Windows を削除する"]
図3: Windows.old はどちらのバージョンでも設定の「ストレージ」から消す。
「一時ファイル」の中身は項目ごとに違う
設定の「ストレージ」を開くと、「一時ファイル」の中にいくつもの項目が並びます。名前は「一時ファイル」でも、中身は項目ごとに違います。次の表は主な項目と、自分のファイルが含まれるかの一覧です。項目の表記はWindowsのバージョンによって違うことがあります。
| 項目 | 中身 | 自分のファイルが含まれるか |
|---|---|---|
| 更新のクリーンアップ | 更新で置き換えられた古いシステムの部品 | 含まれない |
| 配信の最適化のファイル | 更新などをダウンロードしたときの一時保存 | 含まれない |
| ごみ箱 | 自分で削除したファイル | 含まれる(空にすると戻せない) |
| ダウンロード | 自分で保存したファイル | 含まれる |
| 以前の Windows インストール | Windows.old | 含まれることがある(「何もしない」でアップグレードしたとき)。消すと前のWindowsへ戻せなくなる |
表の中身は次の資料に基づいています。
更新のクリーンアップ:更新で置き換えられた古い部品を消し、WinSxSと呼ばれるコンポーネントストアを小さくする項目です5。WinSxSについては後の節で詳しく説明します。
配信の最適化のファイル:配信の最適化はWindows Updateなどのダウンロードに使われる仕組みです。この項目はその一時保存の場所(キャッシュ)で、ディスククリーンアップの英語の画面では「Delivery Optimization Files」という名前です6。Microsoftは、配信の最適化のキャッシュはWindowsが自動で消すと説明しています。ファイルは短い期間がたつか、容量を使いすぎると消えます。空きが必要なら、手動で消してもよいとしています6。
ごみ箱:削除したファイルはごみ箱を空にするまで容量を使い続けます7。空にすると、ごみ箱から元に戻せなくなります。
ダウンロード:Microsoftは、ビデオ、ミュージック、ピクチャ、ダウンロードの各フォルダーには、自分で保存した大きなファイルが入っていることが多いと書いています7。インストーラーや受け取った資料を、ほかの場所に移していないこともあります。チェックを入れる前に中身を開いて確かめます。
以前の Windows インストール:前の節で説明したWindows.oldです。10日以内のアップグレードのあとだけ、消せるシステムのファイルとして表示されます7。
flowchart TB
accTitle: 一時ファイルの項目を消してよいかの判断
accDescr: 一時ファイルの各項目について、Windowsの作業用ならそのまま消してよく、自分のファイルなら中身を確かめ、以前のWindowsなら戻す予定がないかを確かめることを示します。
A["「一時ファイル」の項目"] --> B{"誰が作ったファイルか"}
B -->|"Windowsの作業用"| C["更新のクリーンアップ・配信の最適化のファイル"]
B -->|"自分のファイル"| D["ダウンロード・ごみ箱"]
B -->|"前のWindows"| E["以前のWindowsインストール"]
C --> C1["消してよい"]
D --> D1["中身を開いて確かめてから"]
E --> E1["戻す予定がないと決めてから"]
図4: 同じ「一時ファイル」の画面でも、ダウンロードとごみ箱には自分のファイルが入っている。
ストレージセンサーは何を自動で消すか
ストレージセンサーはCドライブの不要なファイルを自動で整理するWindowsの機能です。一時ファイルやごみ箱の中身などを消して、空きを増やします7。対象はWindowsが入っているシステムドライブ(ふつうはCドライブ)だけです8。
Microsoftの資料では、ストレージセンサーは既定ではオフです。ただし、空きが少なくなると、Windowsがオンにして一部の一時ファイルを整理し、そのことを通知することがあります8。確かめに使った仮想マシンでは、空きが十分あっても、入れた直後からオンになっていました。お使いのPCの状態は設定画面で確かめてください。オンにすると、どのくらいの間隔で動かすかを選べます。自動で動くのは、サインインしてオンラインの状態が10分以上続いているときです8。
整理する対象は設定画面で項目ごとに決めます。
一時ファイル:使われていない一時ファイルを消します。管理用のポリシーの説明では、設定しなければ一時ファイルは消す対象になっています9。
ごみ箱:「ごみ箱内のファイルを削除する」という設定で、ごみ箱に入ってからの日数を決めます10。管理用のポリシーの説明では、設定しなければ、ごみ箱に30日を超えて入っているファイルを消します9。
ダウンロード フォルダー:「ダウンロード フォルダー内のファイルを削除する」という設定で、開いていない日数を決めます10。管理用のポリシーの説明では、設定しなければ、ダウンロードフォルダーのファイルは消しません9。日数を指定すると、その日数以上開いていないファイルが消えます。
クラウドのコンテンツ:OneDriveなどのクラウドのファイルを、しばらく開かないとオンライン専用に戻す設定です。画面では「コンテンツがオンラインのみになる」と書かれています10。Microsoftのサポート記事は、この設定ではファイルを完全には削除しないと書いています。「常に保持」を指定したファイルは対象外です8。
flowchart TB
accTitle: ストレージセンサーが削除する対象
accDescr: ストレージセンサーがシステムドライブの一時ファイル、ごみ箱、ダウンロードフォルダーのファイルを削除の対象にし、ダウンロードフォルダーは日数を設定したときだけ消すことを示します。
A["ストレージセンサー(システムドライブだけ)"] --> B["一時ファイル"]
A --> C["ごみ箱"]
A --> D["ダウンロード フォルダー"]
B --> B1["使われていないものを削除"]
C --> C1["決めた日数を過ぎたら削除"]
D --> D1["日数を決めたときだけ削除"]
図5: ストレージセンサーは項目ごとに動きが違い、ダウンロードフォルダーは日数を決めたときだけ消す。
クラウドのファイルの既定値は、資料によって書き方が違います。サポート記事は、Windows 11 バージョン22H2ではOneDriveのファイルを30日開かないとオンライン専用にするのが既定だと書いています8。一方、管理用のポリシーの説明では、ポリシーを設定しなければクラウドのファイルをオンライン専用に戻さないとしています9。どちらの値になっているかは、PCの設定画面で確かめてください。
flowchart TB
accTitle: クラウドのファイルがオンライン専用に戻る流れ
accDescr: しばらく開いていないクラウドのファイルを、ストレージセンサーがオンライン専用に戻し、ファイルは削除されず、常に保持を指定したファイルは対象外になることを示します。
A["しばらく開いていないクラウドのファイル"] --> B{"「常に保持」を指定しているか"}
B -->|"している"| C["対象外(手元に残る)"]
B -->|"していない"| D["ストレージセンサーがオンライン専用に戻す"]
D --> E["ファイルは削除されない"]
図6: クラウドのファイルは削除されず、手元の実体だけがオンライン専用に戻る。
オンライン専用に戻ったファイルは、開くときにまたダウンロードされます。業務アプリから見ると、この動きが問題になることがあります。詳しい内容は「OneDrive「ファイル オンデマンド」と業務アプリ」にまとめました。
ストレージセンサーをオンにする前に確かめること
ストレージセンサーで困りやすいのは、ダウンロードフォルダーとごみ箱です。どちらも、自分のファイルが自動で消えることがあります。
オンにする前に、次の3つを確かめます。
- ダウンロードフォルダーの削除の日数が、自分の使い方に合っているか
- ごみ箱に、あとで戻したいファイルが入っていないか
- 会社のPCなら、管理者がポリシーで設定を決めていないか
会社のPCでは、管理者がポリシーでストレージセンサーをオンにしたりオフにしたりできます。ポリシーでオンにすると、利用者はオフにできません9。
Windows 11 では「クリーンアップ対象候補」を使う
一覧を見ながら自分で選んで消したいときは、「クリーンアップ対象候補」を使います。Microsoftはストレージセンサーを使いたくない場合に、これで一時ファイルやシステムのファイルを見つけて消せると説明しています7。
開き方は「設定」→「システム」→「ストレージ」→「クリーンアップ対象候補」です。Microsoftの資料では「クリーンアップの推奨事項」と書かれていますが11、確かめたWindows 11(26H2)の画面では「クリーンアップ対象候補」という名前でした。分類は次の4つです11。
- 一時ファイル
- 大きなファイルまたは未使用のファイル
- クラウドに同期されたファイル
- 使用されていないアプリ
分類ごとに消す項目を選び、それぞれの「クリーンアップ」ボタンを選ぶと消えます7。一覧には自分のファイルも出てくるので、ボタンを押す前に、チェックの入った項目を一つずつ確かめます。
flowchart TB
accTitle: クリーンアップ対象候補の使い方
accDescr: 設定のストレージからクリーンアップ対象候補を開き、分類ごとに消す項目を選び、自分のファイルが含まれていないかを確かめてから、分類ごとのクリーンアップボタンを選ぶ流れを示します。
A["設定 → システム → ストレージ"] --> B["クリーンアップ対象候補を開く"]
B --> C["分類ごとに消す項目を選ぶ"]
C --> D["自分のファイルが含まれていないか確かめる"]
D --> E["分類ごとの「クリーンアップ」ボタンを選ぶ"]
図7: クリーンアップ対象候補では、分類ごとに項目を選び、確かめてから消す。
ディスククリーンアップとの使い分け
ディスククリーンアップ(cleanmgr.exe)は、Windowsに入っている掃除の道具です。一時ファイルやシステムのファイルを消したり、ごみ箱を空にしたりできます5。
Microsoftのサポート記事では、ディスククリーンアップの手順はWindows 10の説明として載っています。そこでは、ストレージセンサーのないシステムでは、ディスククリーンアップで一時ファイルやシステムのファイルを消せると書かれています7。Windows 11の説明では、先に挙げた「クリーンアップ対象候補」が案内されています7。
ディスククリーンアップを使うときの注意は2つあります7。
- 最初に開いたときは、Downloaded Program Files、Temporary Internet Files、Thumbnails(縮小表示)の3つに既定でチェックが入っている
- システムのファイルも消すには、「システム ファイルのクリーンアップ」を選び、ドライブを選び直す
どの項目を消すかの考え方は設定アプリで消すときと同じです。チェックの入った項目を一つずつ確かめます。
なお、Microsoftが公開している「Windowsで今後開発しない機能」の一覧(2026年9月23日時点)には、ディスククリーンアップは載っていませんでした12。ストレージセンサーで置き換えるという話を見かけることがありますが、この一覧からは確かめられません。
flowchart TB
accTitle: 空き容量を増やす道具の選び方
accDescr: 自動で整理したいならストレージセンサー、Windows 11で一覧から選びたいならクリーンアップ対象候補、Windows 10で選びたいならディスク クリーンアップを使うことを示します。
A{"どう整理したいか"} -->|"自動で"| B["ストレージセンサー"]
A -->|"一覧から(11)"| C["クリーンアップ対象候補"]
A -->|"Windows 10"| D["ディスク クリーンアップ"]
B --> E["日数の設定を確かめる"]
C --> F["チェックを確かめる"]
D --> G["システム ファイルも選べる"]
図8: 自動で整理するか、一覧から選ぶかで道具を選ぶ。
手で消してはいけないもの
ここまでの項目は設定アプリやディスククリーンアップから消せるものでした。一方、エクスプローラーで手で消してはいけないものもあります。この節では WinSxS、ページファイル、復元ポイントの3つを扱います。
WinSxS フォルダー
C:\Windows\WinSxS はコンポーネントストアと呼ばれるフォルダーで、Windowsの部品と、更新で置き換えられた古いバージョンの部品が入っています。大きく見えることがありますが、MicrosoftはWinSxSのファイルを消したり、フォルダーごと消したりすると、PCが起動しなくなったり更新できなくなったりするおそれがあると警告しています5。
Windowsはこのフォルダーを自動で小さくしています。タスク スケジューラの StartComponentCleanup というタスクが、PCを使っていない時間に古い部品を整理します。自動で動くときは、新しい部品を入れてから30日以上たった古いバージョンだけを消します5。
すぐに小さくしたいときは、管理者のコマンドプロンプトで次のコマンドを使います5。
Dism.exe /online /Cleanup-Image /StartComponentCleanup
このコマンドはタスクと違い、30日の猶予を置かずに古いバージョンを消します5。さらに /ResetBase を付けると、入っている更新プログラムはすべてアンインストールできなくなります5。更新を戻す可能性があるうちは、/ResetBase を付けません。/ResetBase を付けないこのコマンドは、Windows Server 2022の管理者のコマンドプロンプトで実行して、最後まで終わることを確かめています。
flowchart TB
accTitle: WinSxS を小さくする方法
accDescr: WinSxSは手で消さず、自動で動くタスクか、DISMのStartComponentCleanupで小さくし、ResetBaseを付けると既存の更新をアンインストールできなくなることを示します。
A["WinSxS が大きい"] --> X["手で消す(不可)"]
A --> B["自動のタスク(30日の猶予)"]
A --> C["DISM(猶予なし)"]
C --> D["/ResetBase を付ける"]
D --> E["既存の更新を戻せない"]
図9: WinSxS は手で消さず、Windowsに用意された方法で小さくする。
ページファイル
ページファイルはディスクに置かれる隠しシステムファイルです。あまり使われないメモリの内容をディスクへ移したり、使えるメモリの上限(コミットの上限)を広げたりするために使われます。Windowsが異常終了したときの記録(システムクラッシュダンプ)にも使われることがあります13。
flowchart TB
accTitle: ページファイルの役割
accDescr: ページファイルが、あまり使われないメモリの内容をディスクへ移し、コミットの上限を広げ、システムクラッシュダンプを支えること、コミットの上限に達するとアプリが固まったり落ちたりすることがあることを示します。
A["ページファイル"] --> B["メモリの内容をディスクへ移す"]
A --> C["コミットの上限を広げる"]
A --> D["クラッシュダンプを支える"]
C -.-> E["上限に達するとアプリが固まることがある"]
図10: ページファイルはコミットの上限やクラッシュダンプを支えるので、空きを増やす目的では消さない。
コミットの上限に達すると、アプリがメモリを確保できず、固まったり落ちたりすることがあります13。容量が気になっても、空きを増やす目的でページファイルを消す対象にはしません。ページファイルの中身や大きさの読み方は、「Windowsの「メモリ使用量」は何を表しているのか」で説明しています。
復元ポイントの容量
「システムの保護」が作る復元ポイントも容量を使います。減らしたいときは、ファイルを探して消すのではなく、「システムの保護」の設定画面で使ってよい容量の上限を決めます。Microsoftのサポート記事は、この画面のスライダーで、システムの保護が使える最大の容量を決められると説明しています14。
迷ったときの判断の目安
最後に、どれを消してよいかの目安をまとめます。
flowchart TB
accTitle: 消してよいかの判断の目安
accDescr: 消す前に、自分のファイルが含まれるか、前のWindowsへ戻す予定があるか、Windowsが動くために使うものかを順に確かめ、それぞれの扱いを示します。
A["消そうとしているもの"] --> B{"自分のファイルが含まれるか"}
B -->|"はい(ダウンロード・ごみ箱・Windows.oldのユーザー)"| C["中身を開いて、要るものを移してから"]
B -->|"いいえ"| D{"前のWindowsへ戻す予定があるか"}
D -->|"ある"| E["Windows.old は残す"]
D -->|"ない"| F{"Windowsが動くために使うものか"}
F -->|"はい(WinSxS・ページファイル)"| G["手で消さず専用の方法を使う"]
F -->|"いいえ"| H["設定アプリから消してよい"]
図11: 自分のファイル、前のWindowsへ戻す予定、Windowsが動くために使うものの順に確かめる。
- Windows.old:新しいWindowsで困っていなければ、消して構いません。消すと前のWindowsへ戻せません。待てば10日で自動で消えます。消す前に、中の「ユーザー」フォルダーに要るファイルが残っていないかを確かめます。
- 更新のクリーンアップ・配信の最適化のファイル:Windowsが作業用に作ったものなので、消して構いません。
- ダウンロード・ごみ箱:自分のファイルです。中身を開いて、要るものを別の場所へ移してから消します。
- ストレージセンサー:オンにするなら、ダウンロードとごみ箱の日数を先に確かめます。
- WinSxS・ページファイル:エクスプローラーで手で消しません。WinSxSはDISMかディスククリーンアップの更新のクリーンアップで小さくします。
空き容量の問題とは別に、ディスクの使用率が100%に張り付いてPCが重い、という相談もよくあります。その場合の調べ方は「ディスク使用率100%は何を止めれば直る?」で説明しています。
関連記事
- ディスク使用率100%は何を止めれば直る?── SysMain・Windows Search・Defenderの見分け方
- OneDrive「ファイル オンデマンド」と業務アプリ ── プレースホルダーが壊す前提と対策
- Windowsの「メモリ使用量」は何を表しているのか ── Working Set・Private Bytes・Commit・ページファイルを正しく読む
参考リンク
-
Microsoft Support, KB5012334—Delete the Windows.old folder using Storage sense in the Settings app. Windows.oldに前のバージョンのWindowsが入っていること、設定アプリで消すのが最も簡単であること、Windows 11とWindows 10の手順と項目名。 ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5
-
Microsoft Support, Go back to the previous version of Windows. ほとんどの場合、戻せるのはアップグレードから10日間であること。戻すには
windows.oldと$windows.~btを残し、追加したユーザーアカウントを削除し、アップグレードに使ったUSBドライブを用意すること。 ↩ ↩2 -
Microsoft Support, Delete your previous version of Windows. アップグレードから10日たつと前のバージョンのWindowsが自動で削除されること、Windows.oldに戻すためのファイルが入っていること、削除は元に戻せないこと、管理者の権限が要ること。 ↩ ↩2 ↩3 ↩4
-
Microsoft Support, Retrieve files from the Windows.old folder after a Windows upgrade. 日本語版は「Windows アップグレード後に Windows.old フォルダーからファイルを取得する」。「保持する項目の選択」で「何もしない」を選ぶと個人用ファイルは移行されず、Windows.oldに10日間保存されること、取り出す手順。2026-11-03に確認。 ↩ ↩2
-
Microsoft Learn, Clean Up the WinSxS Folder. WinSxSのファイルやフォルダーを消すとPCが起動しなくなったり更新できなくなったりするおそれがあるという警告、StartComponentCleanupタスクの30日の猶予、DISMの
/StartComponentCleanupと/ResetBase、ディスククリーンアップの更新のクリーンアップでコンポーネントストアを小さくできること。 ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 -
Microsoft Learn, Delivery Optimization Frequently Asked Questions. 配信の最適化のキャッシュはWindowsが自動で消すこと、空きが必要ならディスククリーンアップの「Delivery Optimization Files」で手動で消せること。 ↩ ↩2
-
Microsoft Support, Free up drive space in Windows. ストレージセンサーが一時ファイルやごみ箱の中身を消すこと、クリーンアップに関する推奨事項の開き方と4つの分類、ごみ箱を空にするまで容量を使うこと、ダウンロードなどのフォルダーに大きなファイルが入りやすいこと、Windows 10でのディスククリーンアップの手順と既定の選択項目。 ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9
-
Microsoft Support, Manage drive space with Storage Sense. ストレージセンサーが既定でオフであること、空きが少ないとWindowsがオンにすることがあること、システムドライブだけが対象であること、サインインしてオンラインの状態が10分以上続かないと動かないこと、クラウドのコンテンツの設定がファイルを完全には削除しないこと、Windows 11 バージョン22H2での既定が30日であること。 ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5
-
Microsoft Learn, Storage Policy CSP. ストレージセンサーの各ポリシーの既定値(一時ファイルは削除する、ごみ箱は30日、ダウンロードフォルダーとクラウドのコンテンツは既定値0で何もしない)と、ポリシーでオンにすると利用者がオフにできないこと。 ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5
-
Microsoft サポート, ストレージ センサーでドライブ領域を管理する. 日本語の画面での項目名(「ごみ箱内のファイルを削除する」「ダウンロード フォルダー内のファイルを削除する」「コンテンツがオンラインのみになる」「常に保持」)。 ↩ ↩2 ↩3
-
Microsoft サポート, Windows でドライブの空き領域を増やす. Windows 11の「クリーンアップ対象候補」の開き方と4つの分類の日本語の表記、ディスク クリーンアップで既定で選ばれる項目。 ↩ ↩2
-
Microsoft Learn, Deprecated features in the Windows client. 2026年9月23日時点の一覧にディスククリーンアップが載っていないこと(2026年11月3日に確認)。 ↩
-
Microsoft Learn, Introduction to the page file. ページファイルの役割(物理メモリの拡張、コミットの上限の拡張、クラッシュダンプ)と、コミットの上限に達したときに起きること。 ↩ ↩2
-
Microsoft Support, System Protection. システムの保護の設定画面のスライダーで、使える最大の容量を決められること。 ↩
関連する記事
同じタグを共有する最新の記事です。さらに近い話題で知識を深められます。
タスクマネージャーの「専用GPUメモリ」と「共有GPUメモリ」とは ── 内蔵GPUで数字が大きく違う理由と、足りないときに起きること
タスクマネージャーの専用GPUメモリと共有GPUメモリの意味を、一般の利用者向けに説明します。内蔵GPUで専用が小さく共有が大きい理由、共有の上限の決まり方、足りないときに起きることをまとめます。
「従量制課金接続」をオンにすると何が止まるか ── Windows Update・OneDrive・ストアアプリへの影響
Windowsの従量制課金接続をオンにすると、Windows Updateは優先度の高い更新だけをダウンロードし、OneDriveは同期を一時停止します。ストアアプリの影響、設定方法、テザリングでの扱い、戻し忘れの注意を説明します。
Windowsの電源モードで何が変わる? ── 最適なパフォーマンス・バランス・最適な電力効率の違いと選び方
Windows 11の電源モード「最適なパフォーマンス」「バランス」「最適な電力効率」で何が変わるかを説明します。裏側のCPU設定、電源プランとの関係、電源接続時とバッテリー時、選べないときの原因と選び方をまとめます。
Windowsの「ゲームモード」とは ── オンにすると何が変わるのか、ゲーム以外にも影響するのか
Windowsのゲームモードは、ゲームの実行中にWindows Updateによるドライバーのインストールと再起動通知を止め、フレームレートの安定を図る機能です。効果の出方、ゲーム以外への影響、オン・オフの手順を説明します。
ハードウェアアクセラレーションはオンとオフどちらがいいか ── Chrome・Edge・Office・Teamsの設定とHAGSとの違い
ブラウザーやOfficeのハードウェアアクセラレーションは基本はオンのままにし、画面が真っ白になるなどの不具合が出たときに一時的にオフにして原因を切り分けます。設定の場所、オフで失うもの、HAGSとの違いを公式資料で整理します。
関連トピック
このテーマと近いトピックページです。記事を起点に、関連するサービスや他の記事へ進めます。
Windows技術トピック
Windows 開発、不具合調査、既存資産活用の技術トピックをまとめた入口です。
このテーマがつながるサービス
この記事は次のサービスページにつながります。近い入口からご覧ください。
既存Windowsソフトの改修・保守
社内のPCでCドライブの空きが足りなくなる原因を調べ、ストレージセンサーや更新の設定をどう決めるかを、実際の構成に合わせて一緒に整理できます。
技術相談・設計レビュー
業務アプリが一時フォルダーやダウンロードフォルダーにファイルを置いていて、自動の削除で消えてしまわないかを確かめたい場合に、技術相談として扱えます。
よくある質問
この記事のテーマについて、相談時によくある質問をまとめています。
- Windows.old フォルダーは消してもよいですか?
- 前のバージョンのWindowsに戻す必要がなければ消して構いません。Windows.oldには前のWindowsに戻すためのファイルが入っており、消すと元に戻せません。アップグレードから10日たつと、前のバージョンのWindowsは自動で削除されます。自分で消すなら、設定の「システム」→「ストレージ」から消すのがいちばん簡単です。ただし、アップグレードのときに「保持する項目の選択」で「何もしない」を選んだ場合は、個人用ファイルが新しいWindowsに移されず、Windows.oldに10日間だけ残ります。消す前に、Windows.oldの中の「ユーザー」フォルダーに要るファイルが残っていないかを確かめます。
- 「一時ファイル」に出てくる項目は全部消してよいですか?
- 全部まとめて消すのは避け、項目ごとに確かめます。更新のクリーンアップや配信の最適化のファイルは、Windowsが作った作業用のファイルです。一方、「ダウンロード」は自分で保存したファイルの置き場所で、ごみ箱を空にすると中のファイルは戻せません。以前のWindowsのインストールを消すと、前のWindowsへ戻せなくなります。
- ストレージセンサーをオンにすると、ダウンロードフォルダーのファイルも消えますか?
- ダウンロードフォルダーの削除は別の設定です。管理用のポリシーの説明では、設定しなければダウンロードフォルダーのファイルは消しません。日数を指定すると、その日数以上開いていないファイルが消えるので、オンにする前に設定画面の値を確かめてください。
- ディスククリーンアップはもう使えないのですか?
- Microsoftのサポート記事は、Windows 11では設定の「クリーンアップの推奨事項」を案内しています。Windows 11(26H2)の画面では「クリーンアップ対象候補」という名前です。ディスククリーンアップの手順は、Windows 10の説明として載っています。どちらでも、何を消すかを確かめてから実行する点は同じです。
- WinSxS フォルダーが大きいので、中身を消してもよいですか?
- 手で消してはいけません。Microsoftは、WinSxSのファイルやフォルダーを消すと、PCが起動しなくなったり更新できなくなったりするおそれがあると警告しています。小さくしたいときは、DISMの/StartComponentCleanupか、ディスククリーンアップの更新のクリーンアップを使います。