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小村 豪(2026)「タスクマネージャーの「専用GPUメモリ」と「共有GPUメモリ」とは ── 内蔵GPUで数字が大きく違う理由と、足りないときに起きること」合同会社小村ソフト. https://doi.org/10.5281/zenodo.23916648 https://comcomponent.com/blog/task-manager-dedicated-shared-gpu-memory/
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タスクマネージャーのGPUの欄を開くと、「専用GPUメモリ」と「共有GPUメモリ」という二つの数字が並んでいます。内蔵GPUのノートPCでは、専用はわずかなのに、共有はメモリの半分ほどと大きく表示されることがあります。
専用GPUメモリはGPUだけが使うメモリ、共有GPUメモリはCPUとGPUのどちらも使える普通のメモリです。 共有GPUメモリの大きな数字は、GPUが使ってよい上限です。その分のメモリがいつもGPUに取られているわけではありません。
この記事は、Windows 11のタスクマネージャーの表示が気になる一般の利用者向けの解説です。2026年11月3日に確認したMicrosoft、Intel、AMDの公式資料をもとに書いています。アプリごとにGPUを選ぶ設定の画面は、Windows 11 Enterprise 評価版(26H2)の仮想マシンで確かめました。タスクマネージャーとdxdiagの表示、共有GPUメモリの上限、GPUを選ぶ設定の画面は、内蔵GPUと外付けのGPUの両方があるWindows 11 Pro(25H2)の実機(メモリ128GB)でも確かめました。[詳細]タブのプロセスごとの列は確かめていません。画面の表示名はWindowsのバージョンや言語によって少し違うことがあります。
タスクマネージャーのGPU欄の見方
GPUの情報はタスクマネージャーの[パフォーマンス]タブにある「GPU 0」などの項目に出ます。GPUが二つあるPCでは「GPU 0」「GPU 1」のように並び、番号はタスクマネージャーが付けたものです。1 左側には「GPU 0」の下にGPUの名前が出て、その下に「25% (40 °C)」のように使用率(と温度)が並びます。
この記事では「専用GPUメモリ」「共有GPUメモリ」と書きますが、画面の欄の名前は「専用 GPU メモリ」「共有 GPU メモリ」「GPU メモリ」と空白が入ります。
右側の上には、GPUの中の役割ごとのグラフが並びます。GPUには3D描画を受け持つ部分、データの転送を受け持つ部分、動画の再生を受け持つ部分などがあり、それぞれ別々に動きます。MicrosoftはこれをGPUエンジンと呼んでいます。グラフの名前は「3D」「Copy」「Video Decode」などで、どのエンジンがあるかはGPUによって違います。1
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accTitle: タスクマネージャーのGPU欄の構成
accDescr: パフォーマンスタブのGPUの項目に、GPUエンジンごとの使用率のグラフ、GPU全体の使用率、専用GPUメモリと共有GPUメモリの使用量が表示されることを示す。
A["パフォーマンスタブのGPU 0"] --> B["GPUエンジンごとのグラフ"]
A --> C["GPU全体の使用率"]
A --> D["専用GPUメモリ"]
A --> E["共有GPUメモリ"]
B --> B1["3D・Copy・Video Decodeなど"]
図1: GPUの欄にはエンジンごとの使用率と、2種類のメモリの使用量が並ぶ。
左側に出る「GPU 0」の下の「25% (40 °C)」のような全体の使用率は、エンジンの平均ではありません。いちばん忙しいエンジンの使用率です。動画の再生では、3Dのエンジンをまったく使わないこともあります。その場合は、動画を受け持つエンジンなど、いちばん忙しいエンジンの値が全体の数字になります。MicrosoftのGPUの担当者は、平均にするとゲームでGPUを使い切っていても低く見えてしまうため、この方式にしたと説明しています。1
Windows 11 Pro(25H2)の実機で4K動画を再生したときは、全体が24〜25%、Video Decode が24〜25%、3D が18〜22%、ほかのエンジンが0%でした。全体の数字はいちばん忙しい Video Decode と同じで、各エンジンの平均(約11〜12%)ではありませんでした。
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accTitle: GPU全体の使用率の決まり方
accDescr: 3D、Copy、Video Decodeなど各エンジンの使用率のうち、最も高い値がGPU全体の使用率として表示されることを示す。
A["3Dエンジンの使用率"] --> M["最も高い値を選ぶ"]
B["Copyエンジンの使用率"] --> M
C["Video Decodeエンジンの使用率"] --> M
M --> R["GPU全体の使用率"]
図2: GPU全体の使用率はいちばん忙しいエンジンの値で表される。
タスクマネージャーでGPUの情報を見るには、GPUのドライバーがWDDM 2.0以降に対応している必要があります。ドライバーのWDDMのバージョンは、スタートメニューから dxdiag を起動し、[ディスプレイ]タブのドライバーの欄にある「ドライバー モデル」(Driver Model)の値で確かめられます。1 モニターが2台つながっていた実機(25H2)では、タブの名前が[ディスプレイ 1][ディスプレイ 2]のように番号付きでした。dxdiagのディスプレイのタブは、モニターがつながっているGPUの分しか出ません。モニターをつないでいない内蔵GPUのドライバー モデルは、dxdiagでは見られませんでした。
図の実線は常に成り立つ関係、破線は条件付きの関係です(成立条件は詳細ページの各関係の説明に記載)。関係すべての一覧(全12件、根拠・確度つき)と主要概念の定義は知識マップ詳細ページにまとめています。データ: JSON-LD / Turtle
専用GPUメモリはGPUだけが使うメモリ
専用GPUメモリは、GPUだけが使うために確保されたメモリです。Windowsでは、GPUが使うメモリをビデオメモリマネージャー(VidMm)という部品が管理していて、タスクマネージャーの数字もここから集めています。1
外付けのグラフィックスカード(ディスクリートGPU)では、専用GPUメモリはカードに載っているメモリ、いわゆるVRAMです。その量はカードによって決まっています。12
内蔵GPUでは事情が違います。内蔵GPUはプロセッサーに組み込まれたGPUです。PCの起動時やドライバーの初期化のときに、普通のメモリの一部をGPU専用に予約する内蔵GPUもあります。予約した分はWindowsのメモリ管理から外れ、GPUだけが使います。ただしMicrosoftはこの予約より共有メモリを使うほうが柔軟で効率がよいとしていて、予約をほとんどしない内蔵GPUも多くあります。1
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accTitle: 専用GPUメモリの中身
accDescr: ディスクリートGPUではグラフィックスカード上のVRAMが専用GPUメモリになり、内蔵GPUでは起動時などに普通のメモリから予約した分が専用GPUメモリになることを示す。
A["専用GPUメモリ"] --> B["ディスクリートGPU"]
A --> C["内蔵GPU"]
B --> B1["カード上のVRAM"]
C --> C1["普通のメモリから予約した分"]
C1 -.-> C2["予約しない内蔵GPUも多い"]
図3: 専用GPUメモリの中身はGPUの種類によって違う。
パフォーマンスタブの専用GPUメモリの使用量は、すべてのプロセスがいま使っている量の合計です。アプリが確保を求めた量ではありません。1
共有GPUメモリはCPUとGPUのどちらも使える普通のメモリ
共有GPUメモリはCPUもGPUも使える普通のメモリ(RAM)です。使い道は決まっていません。GPUが必要なときにGPUが使い、要らなくなればCPU側に戻ります。外付けのGPUも内蔵GPUもこの共有メモリを使えます。1
右側に出る大きい数字は、GPUが使ってよい普通のメモリの上限です。その量をGPUが確保しているわけではありません。左側の使用量が、いまGPUが使っている分です。1
この上限は、Windowsが決めています。2017年にタスクマネージャーへGPUの表示を加えたときの説明では、GPUが同時に使える普通のメモリは物理メモリの半分までとされていました。16GBのPCならGPUが使えるのは8GBまでで、残りのメモリでシステムの動作を保つためです。1
現在のMicrosoftのドライバー向け資料には、次の計算式が載っています。GPUが使える普通のメモリ(専用に予約した分を含む)の上限は、「メモリの80%」と「メモリから16GBを引いた量とメモリの半分のうち大きいほう」の、小さいほうです。ここでのメモリは、BIOSが予約した分を除いた、Windowsから見えるメモリの量です。3
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accTitle: GPUが使える普通のメモリの上限の決まり方
accDescr: Windowsから見えるメモリの量から、メモリの半分とメモリから16GBを引いた量の大きいほうを選び、メモリの80%を超えないようにした値が上限になることを示す。
A["Windowsから見えるメモリの量"] --> B["半分と、16GBを引いた量の大きいほう"]
B --> C["80%を超えないようにする"]
C --> D["GPUが使える普通のメモリの上限"]
D -.-> E["専用に予約した分を引いた残りが共有の上限"]
図4: 共有GPUメモリの上限はメモリの量から計算で決まる。
この式に当てはめると、上限は次のようになります。
| Windowsから見えるメモリ | GPUが使える普通のメモリの上限 |
|---|---|
| 8GB | 4GB(半分) |
| 16GB | 8GB(半分) |
| 32GB | 16GB(半分) |
| 64GB | 48GB |
| 128GB | 102.4GB(80%) |
32GBまでのPCでは、2017年の説明と同じく半分です。それより多いと半分を超えます。共有GPUメモリの上限はここから専用に予約した分を引いた残りで、ドライバーの設定によってはさらに小さくなります。3
メモリ128GB(Windowsから見えるのは127.69GB)の実機(25H2)では、タスクマネージャーの共有GPUメモリの上限は102GB、dxdiagの「共有メモリ」は104605MBでした。どちらも計算式の80%側と合っています。
GPUの欄には専用と共有の下に「GPU メモリ」の行もあります。この行の意味を個別に説明したMicrosoftの資料は見つかりませんでした。ドライバー向けの資料ではビデオメモリの合計を、専用のビデオメモリ、専用に予約したシステムメモリ、共有のシステムメモリの合計として計算しています。3 実機(25H2)の表示もこれと合っていました。外付けのGPUは「GPU メモリ 2/114 GB」で、専用12.0GBと共有102GBを合わせた量です。内蔵GPUは「0.2/102 GB」で、共有の分だけでした。dxdiagの「メモリ合計 116599 MB」も、「表示メモリ (VRAM) 11994 MB」と「共有メモリ 104605 MB」の合計です。
アプリがこの上限より多くのビデオメモリを確保すること自体はできます。Windowsのビデオメモリは仮想化されていて、確保できる量の限界はメモリとページファイルを合わせたシステム全体のコミットの上限です。VidMmは、GPUが一度に使う普通のメモリが上限を超えないように、メモリのページを固定したり解放したりして調整します。1 Windowsのメモリの数字の読み方は「Windowsの「メモリ使用量」は何を表しているのか」で説明しています。
内蔵GPUで専用が小さく共有が大きい理由
内蔵GPUのPCで、専用GPUメモリが小さく、共有GPUメモリが大きく出るのは、普通の状態です。内蔵GPUはおもに共有メモリで動くからです。共有GPUメモリの上限は、メモリが32GBまでのPCならメモリの半分で、それより多いPCではもっと大きくなります(128GBのPCではメモリの80%の102GB)。
Windows 11 Pro(25H2)の実機の内蔵GPU(Intel UHD Graphics 770)には、「専用 GPU メモリ」の欄もグラフも出ませんでした。出ていたのは「共有 GPU メモリ 0.2/102 GB」と「GPU メモリ 0.2/102 GB」だけです。専用の欄が見当たらないPCもあります。
Intelは、Intelの内蔵GPUには専用のメモリがなく、共有メモリを自動で割り当てて使うと説明しています。BIOSで調整できるのは、使える量の上限だけです。4 AMDも、内蔵GPUのPCは統合メモリアーキテクチャ(UMA)で作られていて、普通のメモリの一部をGPUと共有すると説明しています。5
Microsoftの説明では、ドライバーが予約する少量のメモリが「Hardware Reserved Memory」として表示されることもあります。1
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accTitle: 内蔵GPUとディスクリートGPUのメモリの使い方
accDescr: ディスクリートGPUはカード上のVRAMを主に使い、足りない分などに普通のメモリを使う。内蔵GPUは専用の予約が小さいか無く、普通のメモリを共有して使うことを示す。
A["ディスクリートGPU"] --> A1["専用:カード上のVRAM"]
A --> A2["共有:普通のメモリ"]
B["内蔵GPU"] --> B1["専用:小さいか無い"]
B --> B2["共有:普通のメモリが中心"]
図5: 内蔵GPUは普通のメモリを共有して使うので、専用の数字が小さく出る。
プロセスごとの数字は足し算しない
GPUのメモリの使用量は[詳細]タブでプロセスごとにも見られます。列の見出しを右クリックして[列の選択]を開き、専用GPUメモリや共有GPUメモリの列を足します。1
ここで、各プロセスの数字を合計すると、パフォーマンスタブのGPU全体の使用量より大きくなります。複数のプロセスで共有しているメモリを、それぞれのプロセスの数字に重ねて数えているためです。Microsoftは、アプリが作ったウィンドウの内容を収めるメモリが、アプリ自身とcsrss.exe、デスクトップを合成するdwm.exeの三つから参照される例を挙げています。メモリは一度しか確保していないのに、三つのプロセスそれぞれの数字に入ります。そのためdwm.exeやcsrss.exeの数字は、実際より大きく見えます。1
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accTitle: 共有されたビデオメモリの数え方
accDescr: アプリのウィンドウの内容を収めるビデオメモリは一度だけ確保されるが、アプリ、csrss.exe、dwm.exeのそれぞれの使用量に数えられることを示す。
M["ウィンドウの内容を収めるメモリ"] --> A["アプリの数字に入る"]
M --> C["csrss.exeの数字に入る"]
M --> D["dwm.exeの数字に入る"]
A --> S["足すと実際より大きい"]
C --> S
D --> S
図6: 共有されたメモリは使うプロセスそれぞれの数字に重ねて数えられる。
GPU全体でどれだけ使っているかは、パフォーマンスタブで確かめます。Windows 10では、詳細タブの専用GPUメモリの列が、アプリを裏へ回して戻すたびに約100MBずつ増えて見える既知の問題もありました。この場合もパフォーマンスタブの値は正しく表示されると、Microsoftは説明しています。6
GPUのメモリが足りないと起きること
アプリが使えるビデオメモリの量には、Windowsが決める予算があります。この予算は裏で動くアプリや、ほかのアプリへの切り替えによって変わります。Microsoftの資料では、アプリが予算を超えると、そのアプリがときどき止められたり、メモリの確保に失敗したりするとされています。7
外付けのGPUでは、VRAMに収まらないデータをWindowsが普通のメモリへ移すことがあります。ただしMicrosoftはこれを最後の手段と位置づけています。7
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accTitle: ビデオメモリの予算を超えたときの動き
accDescr: アプリがビデオメモリの予算を超えると、アプリがときどき止められるか、メモリの確保に失敗する。外付けのGPUでは最後の手段として普通のメモリへ移されることがあることを示す。
A["アプリが予算を超える"] --> B["アプリがときどき止められる"]
A --> C["メモリの確保に失敗する"]
A -.-> D["外付けGPUでは普通のメモリへ移すことも"]
D -.-> E["Microsoftは最後の手段としている"]
図7: 予算を超えると、アプリの動きが止まったり確保に失敗したりする。
利用者から見ると、ゲームなどの動きがときどき止まる、といった形で現れることがあります。AMDは、内蔵GPUに最適化されていないゲームでは、テクスチャーが欠けたり低い解像度になったり、GPUが必要条件を満たさないという警告が出たりすることがあるとしています。5
タスクマネージャーで見るなら、該当のアプリを動かしているときに、専用GPUメモリの使用量が上限に近いかを確かめます。外付けのGPUで専用が上限近くまで使われ、共有の使用量が増えているなら、VRAMに収まらない分が普通のメモリ側に置かれている可能性があります。
専用GPUメモリは増やせるのか
Windowsの設定画面に、専用GPUメモリを増やす項目はありません。外付けのGPUではカードに載っているVRAMの量で決まります。
内蔵GPUでは、PCによってはBIOSで設定を変えられます。
- Intel:BIOSの「DVMT(Dynamic Video Memory Technology)」などの項目で、使える量の上限を128MB、256MB、最大などから選べる場合があります。決まった量を割り当てる設定はなく、上限を決めるだけです。4
- AMD:デスクトップ向けの資料ではBIOSの「UMA Frame Buffer Size」を既定の「Auto」のままにすることを勧めています。内蔵GPUに最適化されていないゲームで問題が出る場合は、手動で設定すると解決する可能性があるとして、メモリが8GB以上のPCで1GBか2GBにする例を挙げています。メモリが4GBのPCで2GBにすると全体の性能が落ちるおそれがあるとしています。5
- Intel Core Ultraシリーズ2以降:Intel Graphics Softwareの「Shared GPU Memory Override」で、内蔵GPUが使える共有メモリの割合を変えられます。既定値は57%で、メモリが10GB以上必要です。Intelは変えるとシステムの性能に影響することがあると注意しています。8
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accTitle: GPUのメモリを増やす手段の選び方
accDescr: 外付けのGPUはカード上のVRAMで決まり、内蔵GPUはPCが用意した設定で変えられる場合があることを示す。IntelはBIOSのDVMT、AMDはBIOSのUMA Frame Buffer Size、新しいIntel製品はIntel Graphics SoftwareのShared GPU Memory Overrideを使い、AMDはAutoを勧めている。
A["GPUの種類"] --> B["外付けのGPU"]
A --> C["内蔵GPU"]
B --> B1["カード上のVRAMで決まる"]
C --> D["PCが用意した設定で変える"]
D --> D1["Intel:BIOSのDVMT"]
D --> D2["AMD:BIOSのUMA設定"]
D --> D3["新しいIntel:専用ソフト"]
D2 -.-> N["AMDはAutoを勧める"]
図8: メモリを変える手段はGPUの種類とPCの製品によって違う。
BIOSの項目はPCによっては無いこともあります。項目の名前や場所もBIOSによって違うので、PCの説明書で確かめます。メモリを増設すると、GPUが使える普通のメモリの上限も計算式のとおり大きくなります。ただし、ドライバーが上限を小さく決めている場合はその値までです。
アプリが使うGPUを選ぶ
内蔵GPUと外付けのGPUの両方があるノートPCでは、アプリごとに使うGPUを選べます。Windows 11(26H2)の画面では次の手順です。9
- [設定]→[システム]→[ディスプレイ]→[グラフィック]を開きます。
- [アプリケーションのカスタム設定]の一覧で、変えたいアプリの行を選んで開きます。一覧にないアプリは[デスクトップ アプリの追加]で加えます。
- [GPU のユーザー設定]で、[Windows での自動決定 (省電力)][省電力][ハイ パフォーマンス]のどれかを選びます。選んだ内容はそのまま保存されます。
- アプリを起動し直します。
選択肢の書き方はPCによって違います。GPUが2つあるWindows 11 Pro(25H2)の実機では、「Windows で自動的に選択する」「省電力 (Intel(R) UHD Graphics 770)」「ハイ パフォーマンス (NVIDIA GeForce RTX 4070 Ti)」と、どのGPUを指すかがかっこの中に出ました。
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accTitle: アプリが使うGPUを選ぶ手順
accDescr: 設定のシステム、ディスプレイ、グラフィックを開き、アプリケーションのカスタム設定でアプリを選び、GPUのユーザー設定でWindowsでの自動決定、省電力、ハイ パフォーマンスのどれかを選び、アプリを起動し直すことを示す。
A["設定のグラフィックを開く"] --> B["アプリケーションのカスタム設定でアプリを選ぶ"]
B --> C["GPU のユーザー設定を選ぶ"]
C --> C1["Windows での自動決定"]
C --> C2["省電力"]
C --> C3["ハイ パフォーマンス"]
C1 --> D["アプリを起動し直す"]
C2 --> D
C3 --> D
図9: アプリごとのGPUの選択は設定のグラフィックで行う。
この選択は、GPUが複数あるPCのためのものです。設定を変えたあとは、アプリを動かしながらタスクマネージャーの[プロセス]タブを開き、そのアプリの行のGPUエンジンの列で、どのGPUのどのエンジンが使われているかを確かめます。GPUの描画の仕組みに関わる別の設定は、「Windowsの「ハードウェアアクセラレータによるGPUスケジューリング」とは?」で説明しています。
数字を見たときの判断の目安
| 見えている状態 | 考えられること | 次に見ること |
|---|---|---|
| 内蔵GPUで専用が小さく、共有の上限が大きい | 内蔵GPUの普通の状態 | 対処は不要 |
| 共有GPUメモリの上限がメモリの半分ほど | Windowsが決めた上限 | 使用量が上限に近いか |
| 詳細タブの合計がパフォーマンスタブより大きい | 共有メモリの重複計上 | パフォーマンスタブの値 |
| 外付けGPUで専用が上限近く、共有の使用量も多い | VRAMに収まっていない可能性 | アプリの画質設定を下げて変わるか |
| 特定のアプリだけ固まる | ビデオメモリの予算超過の可能性 | アプリ実行中の専用・共有の使用量 |
まとめ
- 専用GPUメモリはGPUだけが使うメモリです。外付けのGPUではカード上のVRAM、内蔵GPUでは予約された少量の普通のメモリです。
- 共有GPUメモリはCPUとGPUのどちらも使える普通のメモリです。大きい数字は上限で、取られている量ではありません。
- GPUが使える普通のメモリの上限は、メモリが32GBまでのPCではメモリの半分です。それより多いPCでは半分を超え、最大で80%です。
- 内蔵GPUで専用が小さく共有が大きいのは、普通の状態です。
- ビデオメモリの予算を超えると、アプリがときどき止められたり、メモリの確保に失敗したりします。
- 専用GPUメモリを増やす項目はWindowsにはありません。内蔵GPUではBIOSなどで変えられることがありますが、通常は自動の設定のままにします。
参考リンク
-
Microsoft DirectX Developer Blog, GPUs in the task manager. 2017年7月21日。GPUのスケジューラーとメモリ管理の担当者による、タスクマネージャーのGPU表示の説明。エンジン、全体の使用率、専用と共有のメモリ、物理メモリの半分という方針、プロセスごとの数え方。 ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11 ↩12 ↩13 ↩14 ↩15
-
Microsoft Learn, GPU segments. メモリセグメントが、ディスクリートGPUのVRAMまたは内蔵GPUのファームウェアやドライバーが予約したメモリを表すこと。 ↩
-
Microsoft Learn, Calculating Graphics Memory. GPUが使える普通のメモリの上限、共有システムメモリ、ビデオメモリの合計の計算式。 ↩ ↩2 ↩3
-
Intel, How to Adjust Dedicated Video Memory for Intel Graphics. Intelの内蔵GPUは専用メモリを持たず共有メモリを自動で割り当てること、BIOSのDVMTで上限だけを調整できること。 ↩ ↩2
-
AMD, Configuring UMA Frame Buffer Size on Desktop Systems with Integrated Graphics. 内蔵GPUのPCが普通のメモリを共有すること、UMA Frame Buffer Sizeは通常Autoを勧めること、変える場合の例と注意。 ↩ ↩2 ↩3
-
Microsoft Learn, GPU プロセス メモリ カウンターが正しくない値を報告する. Windows 10で詳細タブの専用GPUメモリの値が増えて見える既知の問題。 ↩
-
Microsoft Learn, Residency. ビデオメモリの予算と、予算を超えたときの動き。外付けのGPUで普通のメモリへ移すのは最後の手段であること。 ↩ ↩2
-
Intel, Shared GPU Memory Override Feature and Requirements. Core Ultraシリーズ2以降の内蔵GPUで共有メモリの割合を変える機能。既定値57%、メモリ10GB以上が必要。 ↩
-
Microsoft サポート, Windows 11 でのウィンドウ ゲームの最適化. [システム]→[ディスプレイ]→[グラフィックス]で、アプリごとにグラフィックス パフォーマンスの設定を選ぶ手順。 ↩
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よくある質問
この記事のテーマについて、相談時によくある質問をまとめています。
- 共有GPUメモリの数字が大きいのは、その分のメモリがGPUに取られているということですか?
- いいえ。共有GPUメモリの右側の数字は、GPUが使ってよい普通のメモリの上限です。使っていない分はCPUやほかのアプリがそのまま使えます。いまGPUが使っている量は、左側の使用量のほうで分かります。
- 共有GPUメモリがパソコンのメモリの半分になっているのはなぜですか?
- WindowsはGPUが使える普通のメモリの量に上限を設けているためです。Microsoftの資料の計算式では、メモリが32GBまでのPCでは半分になり、それより多いPCでは半分を超えます。ドライバーによってはこれより小さくなることもあります。
- 専用GPUメモリを増やす方法はありますか?
- Windowsの設定画面には、専用GPUメモリを増やす項目はありません。外付けのGPUでは、グラフィックスカードに載っているメモリの量で決まります。内蔵GPUでは、PCによってBIOSの設定で上限や割り当て量を変えられますが、IntelもAMDも通常は自動の設定を勧めています。
- 内蔵GPUのPCで専用GPUメモリが小さい、または0なのは故障ですか?
- 故障ではありません。内蔵GPUの多くはGPU専用のメモリをほとんど持たず、CPUと共有する普通のメモリを必要に応じて使います。そのため専用GPUメモリは小さく、共有GPUメモリの上限は大きく表示されます。PCによっては、専用GPUメモリの欄そのものが出ないこともあります。
- 詳細タブでプロセスごとの専用GPUメモリを足すと、全体の使用量より大きくなるのはなぜですか?
- 複数のプロセスで共有しているメモリが、それぞれのプロセスの数字に重ねて数えられるためです。GPU全体でどれだけ使っているかは、パフォーマンスタブの数字で確かめます。