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小村 豪(2026)「Windowsの「ゲームモード」とは ── オンにすると何が変わるのか、ゲーム以外にも影響するのか」合同会社小村ソフト. https://doi.org/10.5281/zenodo.23916652 https://comcomponent.com/blog/windows-game-mode-what-it-does/
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- 10.5281/zenodo.23916652
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- 10.5281/zenodo.23916653
Windowsの設定を開くと、「ゲーム」の中に ゲーム モード というスイッチがあります。オンにすると速くなるのか、ゲームをしないときにも何か影響するのかが気になる設定です。
先に答えを書きます。ゲームモードはゲームを実行している間だけ、Windows Updateによるドライバーのインストールと再起動通知を止め、ゲームに資源を優先して回す機能です。既定でオンになっています。PCの性能そのものを引き上げる機能ではないので、効果の大きさはゲームと、裏で動いている処理の量によって変わります。特に理由がなければ、オンのままで構いません。
この記事はWindows 11を使う一般の方向けです。2026年11月3日に確認したMicrosoftの資料をもとに説明します。設定の場所と既定値は、Windows 11 Enterprise 評価版(26H2)の仮想マシンで確かめました。Windows+G でGame Barが開くことは、Windows 11 Pro(25H2)の実機でも確かめました。全画面のゲームで画面が2度点滅することと、ゲームを動かしたときの効果は確かめていません。
ゲームモードがしていること
Microsoftのサポート記事は、ゲームモードを使うとWindowsがバックグラウンドの処理を止めてゲームを優先する、と説明しています。そのうえで、ゲームの実行中にゲームモードがすることとして、次の2つを挙げています。1
- Windows Updateがドライバーのインストールをして、再起動の通知を出すのを防ぐ
- ゲームとシステムに応じて、より安定したフレームレートが出るようにする
Microsoft Learnのゲーム向けの教材も、同じ仕組みを説明しています。Windowsは使っている間もバックグラウンドで多くの処理をしています。たとえばWindows Updateは、PCを最新に保つために必要なデータを先に読み込むことがあります。こうした処理や通知は、ゲームに集中しているときに短い中断の原因になります。ゲームモードはそうした処理に割り当てていた資源を一時的にゲームへ回し、通知を止めます。2
flowchart TB
accTitle: ゲームの実行中にゲームモードがすること
accDescr: ゲームを実行するとゲームモードが働き、Windows Updateによるドライバーのインストールと再起動通知を止め、バックグラウンドの処理に回っていた資源をゲームへ回すことを示す。
G["ゲームを実行する"] --> M["ゲームモードが働く"]
M --> D["ドライバーのインストールを止める"]
M --> R["再起動の通知を止める"]
M --> P["裏の処理の資源をゲームへ回す"]
P --> F["フレームレートの安定を図る"]
図1: ゲームモードはゲームの実行中に更新と通知を抑え、資源をゲームへ寄せます。
ゲームモードは既定でオンになっています。1 自分でオンにした覚えがなくても、スイッチがオンになっているのは普通のことです。
図の実線は常に成り立つ関係、破線は条件付きの関係です(成立条件は詳細ページの各関係の説明に記載)。関係すべての一覧(全5件、根拠・確度つき)と主要概念の定義は知識マップ詳細ページにまとめています。データ: JSON-LD / Turtle
速くなるかは裏で動いている処理の量で決まる
ゲームモードをオンにすれば、どのPCでもフレームレートが上がるわけではありません。Microsoftの説明は「より安定したフレームレート」で、それも「ゲームとシステムに応じて」という条件付きです。1
ゲームモードがしているのは、資源の配り直しです。Windows 10向けに公開された開発者向けの資料は、ゲームモードの仕組みを、ゲームにハードウェアの資源を専用または優先で使わせることだと説明しています。そして、ゲームモードで得られる性能の向上は、そのPCで同時に動いているほかの処理の数と重さに直接関係する、と書いています。3
言い換えると、裏で重い処理がたくさん動いているPCほど、ゲームへ回せる資源が多く、差が出やすくなります。反対に、ゲーム以外にほとんど何も動いていないPCでは、ゲームへ回せる資源がもともと少ないので、差はほとんど出ないことがあります。同じ資料は、ゲームモードを、いまあるハードウェアの能力を使い切ることでゲームの体験をよくする機能だと説明しています。3 GPUやCPUの処理能力を上乗せする機能ではありません。
flowchart TB
accTitle: ゲームモードの効果が出やすいPCと出にくいPC
accDescr: 裏で重い処理が多く動いているPCではゲームへ回せる資源が多いので差が出やすく、裏の処理が少ないPCでは回せる資源が少ないので差が小さいことを示す。
A["ゲームモードをオンにする"] --> B{"裏で動いている処理"}
B -->|"多い・重い"| C["ゲームへ回せる資源が多い"]
B -->|"少ない"| D["ゲームへ回せる資源が少ない"]
C --> E["差が出やすい"]
D --> F["差は小さい"]
図2: ゲームモードの効果はほかの処理からゲームへ回せる資源の量で決まります。
「平均のFPSが上がる」ことよりも、更新の処理や通知でゲームが一瞬止まるような場面が減ることに期待する機能だと考えると、Microsoftの説明と合います。
ゲーム以外のアプリへの影響
ゲームモードが働くのは、ゲームを実行しているときです。Microsoftの説明はどれも「ゲームを実行する際」の動作として書かれています。1 Windowsは多くのゲームでゲームモードを自動でオン・オフし、利用者が手で切り替えることもできます。2
開発者向けの資料は、Windowsの多くのゲームでゲームモードが既定で働き、利用者もゲームの開発者も特別な操作をしなくてよい、と説明しています。また、ゲームに専用の資源が割り当てられるのは、そのアプリが前面にあってフォーカスを持っているときだと書いています。3 この資料はWindows 10の時代のAPIの説明で、APIそのものはWindows 10 バージョン1809以降で非推奨になっています。現在のWindows 11での細かな動作まで同じだとは言い切れないので、考え方を知る手がかりとして読んでください。
ゲームを動かしていないとき
説明の上では、ゲームを動かしていないときの作業は、ゲームモードの対象になっていません。表計算や文書作成、ブラウザーだけを使っている間に、ゲームモードのスイッチがオンかオフかで何かが変わる、という説明はMicrosoftの資料にはありません。
ゲームを動かしているとき
ゲームの実行中は、ゲームを優先する分、同時に動かしている処理が後回しになることがあります。ゲームモードはほかの処理に回っていた資源をゲームへ移す機能だからです。2 たとえば、ゲームの録画や配信、大きなファイルのダウンロード、裏で動かしている変換の処理などです。
また、ゲームの実行中は、Windows Updateによるドライバーのインストールと再起動の通知が止まります。1 ゲームをしながら更新を待っている場合は、この点を覚えておくと戸惑いません。
flowchart TB
accTitle: ゲームを動かしているときと動かしていないときのゲームモード
accDescr: ゲームを動かしていないときはゲームモードの対象外で、ゲームを動かしているときはゲームが優先され、録画やダウンロードなど同時に動かす処理が後回しになることがあり、ドライバーのインストールと再起動通知が止まることを示す。
S{"ゲームを動かしているか"} -->|"いいえ"| N["ゲームモードの対象外"]
S -->|"はい"| Y["ゲームを優先する"]
Y --> B["録画やダウンロードは後回しになることがある"]
Y --> U["ドライバーのインストールと再起動通知が止まる"]
図3: ゲームモードが影響するのは、ゲームを動かしている間です。
Windowsがゲームと認識しているか
ゲームモードのオン・オフは、多くのゲームでWindowsが自動で行います。2 普段は利用者が意識しなくて構いません。
全画面のゲームでGame Barのショートカットが効かないとき、MicrosoftはWindowsキー+Gを押す方法を案内しています。画面が2度点滅すれば、そのゲームが認識されたことを示します。配信や録画などのゲーム機能を使うときは、Game Barで「このアプリのゲーム機能を有効にしてゲームプレイを記録する」を選ぶよう案内しています。4 ただし、これらの案内はGame Barの録画やショートカットについてのものです。この操作がゲームモードの対象を決めるとは、確認した資料には書かれていません。
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accTitle: 全画面のゲームでGame Barのショートカットが効かないときの確認
accDescr: 全画面のゲームでGame Barのショートカットが効かないときはWindowsキーとGを押し、画面が2度点滅すればゲームとして認識されたことを示し、そのあと全画面に戻してショートカットを使うことを示す。
A["全画面のゲームでショートカットが効かない"] --> B["Windowsキー+Gを押す"]
B --> C{"画面が2度点滅したか"}
C -->|"はい"| D["ゲームとして認識された"]
D --> E["全画面に戻してショートカットを使う"]
図4: Game Barのショートカットが効かないときは、Windowsキー+Gでゲームとして認識されたかを確かめます。
ゲームモードをオン・オフする手順
ゲームモードはWindowsの設定から切り替えます。1 切り替える前に、いまの状態がオンかオフかを控えておくと、あとで戻すときに迷いません。
- スタートボタンを押し、検索ボックスに「設定」と入力して、設定 を開きます。
- ゲーム → ゲーム モード を選びます。
- ゲーム モード のスイッチをオンまたはオフにします。
同じ「ゲーム」の中には Game Bar の項目もあります。Game Barはゲームの画面の上に録画や音量、性能の表示などをまとめて出す機能で、Windowsキー+Gで開きます。Game Barのショートカットや録画の設定は「設定 → ゲーム → Game Bar」で変えます。5 4 Game Barとゲームモードは、同じ画面にある別の項目です。
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accTitle: ゲームモードとGame BarとHAGSの設定の場所
accDescr: Windowsの設定のゲームの中にゲームモードとGame Barがあり、HAGSはシステムのディスプレイのグラフィックにあることを示す。
S["設定"] --> G["ゲーム"]
S --> SY["システム"]
G --> GM["ゲーム モード"]
G --> GB["Game Bar"]
SY --> D["ディスプレイ"]
D --> GR["グラフィック(HAGS)"]
図5: ゲームモードとGame Barは「ゲーム」、HAGSは「システム → ディスプレイ → グラフィック」にあります。
似た名前の設定との違い
ゲームやPCの速さに関係しそうな設定は、ほかにもいくつかあります。名前は似ていても、変えるものはそれぞれ違います。
| 設定 | 場所 | 変えるもの |
|---|---|---|
| ゲームモード | 設定 → ゲーム | ゲームの実行中の、裏の処理と更新・通知の扱い |
| ハードウェアアクセラレータによるGPUスケジューリング(HAGS) | 設定 → システム → ディスプレイ → グラフィック | GPUに渡す仕事の管理方法 |
| 電源モード | 設定 → システム → 電源 & バッテリー | バッテリーの持ちと性能のどちらを優先するか |
| 効率モード | タスクマネージャー | 特定のアプリの処理を控えめにする |
HAGSはGPUを使うかどうかではなく、GPUに渡す仕事を管理する方法を切り替える設定です。詳しくは「Windowsの「ハードウェアアクセラレータによるGPUスケジューリング」とは?」で説明しています。ゲームモードとHAGSは別の設定なので、片方を変えても、もう片方は変わりません。
電源モードはバッテリーの持ちと性能のどちらを優先するかを選ぶ設定です。6 違いは「電源モードで何が変わるか」で説明しています。この記事で確認したMicrosoftの資料には、ゲームモードが電源モードを切り替えるという説明はありません。ノートPCでゲームの動きが遅いときは、ゲームモードとは別に、電源モードや電源につないでいるかも確かめます。
効率モードはタスクマネージャーから特定のアプリの処理を控えめにする機能です。「Windows効率モードとは」で説明しています。ブラウザーやTeamsの「ハードウェアアクセラレーション」は、アプリごとの設定です。「ブラウザーやアプリのハードウェアアクセラレーションはオンとオフのどちらがよいか」で説明しています。
flowchart TB
accTitle: ゲームやPCの速さに関係する4つの設定
accDescr: ゲームモードはゲームの実行中の裏の処理、HAGSはGPUの仕事の管理方法、電源モードはバッテリーの持ちと性能の優先、効率モードは特定のアプリの処理を扱い、それぞれ別の設定であることを示す。
Q["速さに関係する設定"] --> GM["ゲームモード"]
Q --> H["HAGS"]
Q --> PM["電源モード"]
Q --> E["効率モード"]
GM --> GM2["ゲーム中の裏の処理"]
H --> H2["GPUの仕事の管理方法"]
PM --> PM2["バッテリーと性能の優先"]
E --> E2["特定のアプリの処理"]
図6: 名前は似ていても、4つの設定は扱うものがそれぞれ違います。
オフにするか迷ったときの考え方
特に困っていなければ、ゲームモードは既定のオンのままで構いません。Microsoftの説明どおり、ゲームの実行中に更新や通知でゲームが中断されにくくなります。
オフを考えるのは、次のような場合です。
- ゲームの実行中に、録画や配信、ダウンロードなど裏の処理も同じように動かしたい
- ゲームの調子が悪く、ゲームモードが関係しているかを確かめたい
オフにすると、ゲームの実行中もWindows Updateによるドライバーのインストールや再起動の通知が止まらなくなります。1
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accTitle: ゲームモードをオフにするか迷ったときの判断
accDescr: 困っていなければオンのままにし、ゲーム中に裏の処理も同じように動かしたい場合や不調の原因を確かめたい場合は、ゲームモードだけを切り替えて同じ場面で比べてから決めることを示す。
A{"困っていることはあるか"} -->|"ない"| K["オンのままにする"]
A -->|"ある"| B{"何に困っているか"}
B -->|"裏の処理も動かしたい"| C["オフにして比べる"]
B -->|"ゲームの不調"| D["ゲームモードだけ切り替えて比べる"]
C --> E["同じ場面で結果を見る"]
D --> E
E --> F["よかった方を残す"]
図7: 迷ったときは、ゲームモードだけを切り替えて同じ場面で比べます。
比べるときはゲームモードだけを変える
ゲームモードが関係しているかを確かめるときは、ほかの設定は変えずに、ゲームモードだけを切り替えます。同時にHAGSや電源モード、ゲーム内のグラフィックス設定も変えると、どの変更が差を生んだのか分からなくなります。
比べるときは、同じゲームの同じ場面を、同じくらいの時間動かします。平均のFPSだけでなく、画面が一瞬止まる引っかかりがないかも見ます。引っかかりはフレームごとにかかった時間(フレームタイム)のばらつきとして表れます。ゲームモードの説明が「より安定したフレームレート」なので、見るべきは主に引っかかりのほうです。Game Barの性能ウィジェットでは、画面上でFPSを表示し、CPU、GPU、メモリの使われ方を見られます。2 フレームタイムを使った比べ方は、HAGSの記事の「比較するなら、変更は一つずつ」でも説明しています。
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accTitle: ゲームモードの効果を比べる手順
accDescr: いまの設定を控え、ゲームモードだけを切り替え、同じ場面を同じ時間動かして平均のFPSと引っかかりを見て、元に戻した状態とも比べることを示す。
A["いまの設定を控える"] --> B["ゲームモードだけを切り替える"]
B --> C["同じ場面を同じ時間動かす"]
C --> D["平均のFPSと引っかかりを見る"]
D --> E["元に戻して同じように比べる"]
図8: 変えるのはゲームモードだけにして、元に戻した状態とも比べます。
まとめ
- ゲームモードはゲームの実行中にWindows Updateによるドライバーのインストールと再起動の通知を止め、裏の処理に回っていた資源をゲームへ回す機能です。既定でオンです。
- PCの性能を引き上げる機能ではありません。効果の大きさは裏で動いている処理の量によって変わります。
- 働くのはゲームを実行しているときです。ゲームの実行中は、録画やダウンロードなど同時に動かす処理が後回しになることがあります。
- HAGS、電源モード、効率モードとは別の設定です。
- 迷ったら、ゲームモードだけを切り替えて、同じ場面で引っかかりを比べてから決めます。
関連記事
- Windowsの「ハードウェアアクセラレータによるGPUスケジューリング」とは? オンにすると速くなる?
- Windows効率モードとは - 緑の葉アイコンとオフにする方法
- 電源モードで何が変わるか
- ブラウザーやアプリのハードウェアアクセラレーションはオンとオフのどちらがよいか
- タスクマネージャーの「専用GPUメモリ」と「共有GPUメモリ」とは
参考リンク
-
Xbox Support, Use Game Mode while gaming on your Windows device(日本語版). 2026年11月3日に表示を確認。ゲームの実行中にドライバーのインストールと再起動通知を防ぐこと、ゲームとシステムに応じてフレームレートの安定を図ること、設定の場所、既定でオンであること。 ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7
-
Microsoft Learn, Performance, capture, and system-level gaming features. バックグラウンドの処理と通知がゲームを中断させうること、ゲームモードがその資源を一時的に回して通知を止めること、多くのゲームで自動でオン・オフされること、Game Barの性能ウィジェット。 ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5
-
Microsoft Learn, Game Mode. Windows 10向けのGame Mode APIの説明(Windows 10 バージョン1809以降で非推奨)。ゲームに資源を専用または優先で使わせる仕組み、性能の向上がほかの処理の数と重さに関係すること、前面でフォーカスを持つアプリに資源が割り当てられること。 ↩ ↩2 ↩3
-
Xbox Support, Troubleshoot Game Bar on Windows(日本語版). Game Barの設定の場所、全画面のゲームでWindowsキー+Gを押してゲームが認識されたことを確かめる方法、ゲーム機能を有効にする操作。 ↩ ↩2
-
Xbox Support, Get to know Game Bar on Windows. Windowsキー+GでGame Barを開くこと、Game Barでできること。 ↩
-
Microsoft Support, Windows PCの電源モードを変更する. 電源モードでバッテリーの持ち、性能、バランスのいずれかを選べること、設定 → システム → 電源 & バッテリーで変更すること。 ↩
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