更新履歴(初版のみ・2026年11月03日公開)
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小村 豪(2026)「ハードウェアアクセラレーションはオンとオフどちらがいいか ── Chrome・Edge・Office・Teamsの設定とHAGSとの違い」合同会社小村ソフト. https://doi.org/10.5281/zenodo.23916642 https://comcomponent.com/blog/app-hardware-acceleration-on-or-off/
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- 10.5281/zenodo.23916642
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- 10.5281/zenodo.23916643
ChromeやEdge、Officeの設定画面には「ハードウェアアクセラレーション」や「グラフィック アクセラレーション」という項目があります。動画がおかしい、画面が真っ白になる、と検索すると「オフにすると直る」という記事がよく見つかります。
基本はオンのままにします。オフにするのは、表示の不具合の原因がGPUの処理にあるかを切り分けるときです。 オフで直ったら、GPUのドライバーを更新してからオンに戻します。Microsoftの資料もこの順番を案内しています1。オフのままにすると、動画の再生や描画をCPUが受け持つことになり、CPUの負荷が増えます2。
この記事では、Chrome・Edge・Office・Teamsのどこにこの設定があるか、オフにすると直ることがある症状、オフで失うもの、Windowsの「ハードウェアアクセラレータによるGPUスケジューリング」(HAGS)との違いを説明します。設定の場所と名前は2026年11月3日に公式資料とChromiumのソースで確かめました。ChromeとEdgeの画面は、Windows 11 Enterprise 評価版(26H2)の仮想マシンに入れたChrome 156とEdge 152でも確かめています。Chromeの設定と chrome://gpu の表示、Office(Microsoft 365 Current Channel)とTeams(個人用の無料版)の設定の画面は、GPUを載せたWindows 11 Pro(25H2)の実機でも確かめました。Outlookと職場・学校のアカウントでのTeams、リモートデスクトップでの動き、オフにしたときの性能やバッテリーへの影響は確かめていません。表示はバージョンによって変わることがあります。
ハードウェアアクセラレーションは処理をGPUに任せる設定
ハードウェアアクセラレーションは描画や動画の再生などの処理を、CPUではなくGPU(グラフィックス処理装置)に任せる仕組みです。GPUを使うので、アプリはパソコンに入っているグラフィックスドライバーを読み込んで使います。
Microsoftの資料によると、OfficeはOffice 2013以降、使える場合はハードウェアアクセラレーションを使います。そのためにパソコンのグラフィックスアダプターを使い、グラフィックスドライバーのコードを読み込みます3。Edgeも、H.264の動画を再生するときは、既定ではWindowsのハードウェアアクセラレーションを使う経路でデコードします4。
flowchart TB
accTitle: ハードウェアアクセラレーションのオンとオフ
accDescr: オンのときは描画や動画のデコードをグラフィックスドライバー経由でGPUが受け持ち、オフのときはCPUが受け持つことを示す図。
A["アプリの描画・動画の再生"] --> B{"ハードウェアアクセラレーション"}
B -->|"オン"| C["グラフィックスドライバー"]
C --> D["GPUが処理"]
B -->|"オフ"| E["CPUが処理(ソフトウェア)"]
図1: オンにするとGPUが処理し、オフにするとCPUが同じ処理を受け持ちます。
GPUを使う以上、グラフィックスドライバーの不具合はアプリの不具合として表に出ます。Microsoftは、Officeのハードウェアアクセラレーションは最新で互換性のあるディスプレイドライバーに頼っていると説明しています5。このあとの節で挙げる症状の説明にも、グラフィックスドライバーが出てきます。
図の実線は常に成り立つ関係、破線は条件付きの関係です(成立条件は詳細ページの各関係の説明に記載)。関係すべての一覧(全9件、根拠・確度つき)と主要概念の定義は知識マップ詳細ページにまとめています。データ: JSON-LD / Turtle
まずはオンのまま、不具合のときに一時的にオフにする
Microsoftの資料は場面によって、この設定の扱いを分けて案内しています。
- 動画が再生されないとき: Edgeの設定でグラフィック アクセラレーションがオンになっていることを確かめます。オンなのに再生できないときは、GPUのドライバーを更新し、設定をいったんオフにしてからオンに戻すよう案内しています4。
- CPU使用率が高いとき: 動画やWebGL、canvasの内容をソフトウェアで描画するとCPU使用率が上がるとして、ハードウェアアクセラレーションが使われていることを確かめるよう案内しています2。
- 画面が真っ白で起動しないとき: グラフィックスドライバーの問題を除外するために、いったんオフにします。直ったらドライバーを更新し、オンに戻します1。
flowchart TB
accTitle: ハードウェアアクセラレーションをオフにするかの判断
accDescr: 表示の不具合がなければオンのままにし、不具合があるときだけオフにして試し、直ったらドライバーを更新してオンに戻すことを示す図。
A{"表示の不具合がある?"} -->|"ない"| B["オンのまま使う"]
A -->|"ある"| C["一時的にオフにして再起動"]
C --> D{"直った?"}
D -->|"直った"| E["ドライバーを更新してオンに戻す"]
D -->|"直らない"| F["オンに戻して別の原因を調べる"]
図2: オフにするのは原因を切り分けるためで、直ったあとはドライバーを更新してオンに戻します。
Googleのヘルプも、ページが正しく表示されない、Chromeがクラッシュするといったときの対処の一つとして、この設定をオフにする方法を挙げています。理由は「パソコンのハードウェアと Chrome の連携で問題が発生している可能性」があるためです6。つまり、オフにするのは不具合が出ているときの対処であって、速くするための設定ではありません。
オフにすると直ることがある症状
公式資料で、この設定と結び付けて案内されている症状は次のとおりです。
- Edgeの画面が真っ白のまま開かない、すぐに応答しなくなる: Microsoftは、グラフィックスドライバーの問題で空白のウィンドウになることがあると説明しています1。
- YouTubeで音は出るのに映像が緑色になる: YouTubeのヘルプはChromeでハードウェアアクセラレーションの設定をオフにする方法を案内しています7。
- ページが正しく表示されない、Chromeがクラッシュする: Googleのヘルプはほかの対処とあわせて、この設定をオフにする方法を挙げています6。
- Officeの画面がぼやける、ちらつく、真っ白や真っ黒になる、文字がきれいに表示されない、クラッシュする: Microsoftは、Officeの表示の仕組みと互換性のないビデオ構成が原因になり得ると説明し、ビデオドライバーの更新を案内しています5。
flowchart TB
accTitle: オフにすると直ることがある症状の原因
accDescr: 画面が真っ白になる、映像が緑色になる、Officeの画面がちらつくといった症状が、GPUを使う処理の問題として公式資料で案内されていることを示す図。
A["GPUを使う処理の問題"] --> B["画面が真っ白になる"]
A --> C["映像が緑色になる"]
A --> D["ちらつく・ぼやける"]
A --> E["クラッシュする"]
図3: どの症状も、GPUの処理とドライバーの組み合わせに原因があるかを確かめる対象です。
Officeについては、実際にドライバーが原因だった例が公開されています。Intelのグラフィックスドライバーの特定のバージョンには、Officeを応答しなくする不具合がありました。Microsoftはまずドライバーを修正版へ更新すること、それができないときにOfficeのハードウェアアクセラレーションを手動で無効にすることを案内しています3。
逆に言えば、オフにして直ったときに分かるのは「GPUの処理のどこかに原因がある」ということまでです。GPUそのものが壊れていると決めつける材料にはなりません。
オフにすると失うもの
オフにすると、GPUが受け持っていた処理をCPUが受け持ちます。Microsoftの資料からは、次の影響が読み取れます。
- CPUの負荷が増える: 動画、WebGL、canvasをソフトウェアで描画すると、CPU使用率が上がります2。
- 動画のデコードがソフトウェアに切り替わる: Edgeでハードウェアアクセラレーションを無効にすると、H.264の動画はソフトウェアのデコーダー(FFmpeg)で再生されます。その経路も失敗すると、H.264の動画が正しく再生されません4。
- WebGPUが使えなくなる: Chromeでこの設定をオフにすると、WebGPUが無効になります8。
flowchart TB
accTitle: オフにしたときに起きること
accDescr: ハードウェアアクセラレーションをオフにすると、動画やWebGLなどの処理がCPUに移り、CPUの負荷が増え、WebGPUが使えなくなることを示す図。
A["ハードウェアアクセラレーションをオフ"] --> B["動画・WebGL・canvasをCPUで処理"]
B --> C["CPUの負荷が増える"]
A --> D["動画のデコードがソフトウェアになる"]
A --> E["WebGPUが使えなくなる"]
図4: オフにしても処理はなくならず、CPUへ移ります。
Officeについても、Microsoftは修正版のドライバーへ更新したら「ハードウェア グラフィックス アクセラレーションを無効にする」のチェックを外し、最適な性能で動かすよう勧めています3。オフにする設定は、原因が片付くまでの回避策という位置づけです。
設定の場所と名前
アプリごとに、設定の場所と名前は次のとおりです。Teamsだけは事情が違うので、最後に分けて説明します。
flowchart TB
accTitle: アプリごとのハードウェアアクセラレーションの設定
accDescr: ChromeとEdgeは設定のシステムの画面に項目があり、Officeは以前はオプションの詳細設定にあったが一部の版で削除され、新しいTeamsには公式に案内された設定が見当たらないことを示す図。
A["Chrome"] --> A1["chrome://settings/system"]
A1 ~~~ B["Edge"]
B --> B1["edge://settings/system"]
B1 ~~~ C["Office"]
C --> C1["オプション→詳細設定(一部の版で削除)"]
C1 ~~~ D["新しいTeams"]
D --> D1["公式に案内された設定は見当たらない"]
図5: ChromeとEdgeは同じ形の設定画面にあり、OfficeとTeamsは版によって事情が違います。
Chrome
アドレスバーに chrome://settings/system と入力し、「グラフィック アクセラレーションが使用可能な場合は使用する」をオフにして、Chromeを再起動します。メニューからは「設定」→「システム」と進みます6。実機(25H2、Chrome 156)では、この項目を切り替えると、その行に[再起動]ボタンが出ました。オフにしたときもオンに戻したときも同じです。
Googleのヘルプには「ハードウェア アクセラレーションが使用可能な場合は使用する」という名前で書かれています6。一方、Chromiumのソースでは、この項目の英語は “Use graphics acceleration when available”、日本語は「グラフィック アクセラレーションが使用可能な場合は使用する」です9。検索して見つかる名前と画面の名前が違っても、同じ項目です。
Edge
アドレスバーに edge://settings/system と入力し、[システム]を開いて、グラフィックス アクセラレータの項目を切り替えて、Edgeを再起動します。Edge 152の画面での名前は「使用可能な場合はグラフィックス アクセラレータを使用する」でした。Microsoftの英語の資料での名前は “Use graphics acceleration when available”、日本語の資料では「使用可能な場合はグラフィックス アクセラレーションを使用する」です110。日本語の資料は機械翻訳なので、画面の表記と少し違うことがあります。
会社のPCで項目を変更できないときは、管理者がポリシー HardwareAccelerationModeEnabled で固定している可能性があります。このポリシーを無効にするとグラフィックス アクセラレーションはオフになり、有効にするか未構成のままにすると使える場合は使います。変更はEdgeを再起動すると反映されます11。
Office
以前のOfficeでは、いずれかのアプリで「ファイル」→「オプション」→「詳細設定」と進み、「ハードウェア グラフィックス アクセラレーションを無効にする」にチェックを入れていました。名前はMicrosoftの日本語の資料での表記で、英語では “Disable hardware graphics acceleration” です3。
ただし、MicrosoftはMicrosoft 365のExcelデスクトップ版でこのオプションを削除したと告知しています12。お使いのバージョンでは項目が見つからないことがあります。Microsoft 365 Current Channel(16.0.20527.20112)を入れた実機(25H2)では、WordとExcelの[詳細設定]に、ハードウェア グラフィックス アクセラレーションの項目はありませんでした。PowerPointの[詳細設定]の[表示]には「スライド ショー実行中はハードウェア グラフィック アクセラレータを無効にする」がありました。Outlookは確かめていません。
Officeは特定のビデオカードとドライバーの組み合わせを検出すると、自動でハードウェアアクセラレーションを無効にします。そのとき画面には何も表示されません。ドライバーを更新して互換性が上がれば、自動で有効に戻ります5。項目がなくても、まずはドライバーの更新を試す意味があります。
flowchart TB
accTitle: Officeがハードウェアアクセラレーションを自動で無効にする流れ
accDescr: Officeは起動時にビデオカードとドライバーの組み合わせを調べ、互換性のない組み合わせなら表示なしで無効にし、ドライバーを更新して互換性が上がれば自動で有効に戻すことを示す図。
A["Officeを起動"] --> B{"互換性のない組み合わせ?"}
B -->|"いいえ"| C["ハードウェアアクセラレーションを使う"]
B -->|"はい"| D["表示なしで自動的に無効"]
D --> E["ドライバーを更新"]
E --> F["互換性が上がれば自動で有効に戻る"]
図6: Officeはオプションの有無にかかわらず、ドライバーとの組み合わせを見て自分で切り替えます。
Teams
以前のTeams(クラシック版)は、2025年7月1日に使えなくなりました13。いま使われている新しいTeamsについて、2026年11月3日時点で、ハードウェアアクセラレーションを切り替える方法を案内したMicrosoftの資料は見つけられませんでした。
実機(25H2)の新しいTeams(26288.2004.5269.3420、個人用の無料版)でも、[設定]の13ページを見ましたが、GPUやハードウェアアクセラレーションの項目はありませんでした。職場や学校のアカウントで使うTeamsでは、項目が違うかもしれません。
掲示板では、設定ファイルや起動オプションを書き換える方法が紹介されています。これはMicrosoftが案内している方法ではないため、この記事では勧めません。Teamsの表示に問題があるときは、ほかのアプリと同じく、まずグラフィックスドライバーの更新から確かめます。
chrome://gpu で今の状態を確かめる
設定をオンにしていても、GPUが実際に使われているとは限りません。Microsoftは、項目がソフトウェアだけの描画になっているときはGPUのドライバーを更新するよう案内しています2。
Chromeでは chrome://gpu を開くと、グラフィックスの機能ごとの状態が一覧で出ます。GoogleはWebGPUの資料で、ここに「WebGPU: Hardware accelerated」と出ているかを確かめるよう案内しています。ChromeがGPUを検出しているかも、このページで確かめられます8。
外付けのGPU(NVIDIA GeForce RTX 4070 Ti)を載せた実機(25H2)では、「Graphics Feature Status」に「WebGPU: Hardware accelerated」と出ていました。設定をオフにしてChromeを再起動すると、「WebGPU: Software only, hardware acceleration unavailable」「Compositing: Software only. Hardware acceleration disabled」に変わり、設定をオンに戻すと元の表示に戻りました。
Edgeでは同じ内容を edge://gpu で見られます。Microsoftは Video Decode に Hardware accelerated と出ているかを確かめるよう案内しています4。「Graphics Feature Status」の項目がソフトウェアだけの描画になっているときは、ドライバーの更新と、設定がオンになっているかの確認を勧めています2。
flowchart TB
accTitle: chrome://gpu で確かめる流れ
accDescr: chrome://gpu または edge://gpu を開き、各項目がハードウェアで処理されているかを見て、ソフトウェアだけになっていればドライバーを更新することを示す図。
A["chrome://gpu・edge://gpu を開く"] --> B{"Hardware accelerated と出る?"}
B -->|"出る"| C["GPUが使われている"]
B -->|"ソフトウェアだけ"| D["グラフィックスドライバーを更新"]
D --> E["設定がオンかも確かめる"]
図7: 設定のオン・オフと、GPUが実際に使われているかは別に確かめます。
不具合を相談するときも、このページの内容が役に立ちます。Microsoftはサポートに問い合わせるときに、edge://gpu のレポートを保存して添えるよう案内しています4。
リモートデスクトップでは最初からGPUを使わないことがある
リモートデスクトップで接続した先のアプリでは、手元の設定とは別に、GPUが使われていないことがあります。
Microsoftのポリシーの資料によると、リモートデスクトップ セッション ホスト(RD Session Host)のサーバーでは、ポリシーを構成しない限り、セッションの既定のアダプターは「Microsoft Basic Render Driver」です。それ以外の場合は、既定でハードウェアのグラフィックスレンダラーを使います14。また、Officeの資料には、Officeをリモートデスクトップのセッションで動かしているときは、ビデオカードを使うハードウェアアクセラレーションが常に無効になると書かれています5。
flowchart TB
accTitle: リモートデスクトップでのGPUの使われ方
accDescr: RD Session Hostのサーバーではポリシーを構成しない限りMicrosoft Basic Render Driverが既定になり、Officeはリモートデスクトップのセッションではハードウェアアクセラレーションを使わないことを示す図。
A["リモートデスクトップのセッション"] --> B{"RD Session Hostのサーバー?"}
B -->|"はい(ポリシー未構成)"| C["Microsoft Basic Render Driver"]
B -->|"それ以外"| D["ハードウェアのレンダラー"]
A --> E["Officeはハードウェアアクセラレーションを使わない"]
図8: リモートの接続先では、アプリの設定とは別に、セッションがGPUを使えるかを確かめます。
リモートデスクトップが重いときは、アプリの設定を切り替える前に、入力・描画・通信のどこで時間がかかっているかを分けて調べます。詳しくは「回線は速いのにRDPが重いのはなぜ?」で説明しています。
WindowsのGPUスケジューリング(HAGS)とは別の設定
Windowsの「設定」→「システム」→「ディスプレイ」→「グラフィックス」には、「ハードウェアアクセラレータによるGPUスケジューリング」(HAGS)という項目があります。名前が似ていますが、ブラウザーやOfficeの設定とは役割が違います。
ブラウザーやOfficeの設定は、そのアプリがGPUを使うかどうかを決めます。HAGSはGPUに渡す仕事の管理方法を切り替える設定で、オフにしても通常のGPU描画は止まりません。詳しくは「Windowsの「ハードウェアアクセラレータによるGPUスケジューリング」とは?」で説明しています。
flowchart TB
accTitle: アプリの設定とHAGSの違い
accDescr: ブラウザーやOfficeの設定はそのアプリがGPUを使うかを決め、HAGSはWindows全体でGPUに渡す仕事の管理方法を決めることを示す図。
A["ブラウザー・Officeの設定"] --> B["そのアプリがGPUを使うか"]
C["WindowsのHAGS"] --> D["GPUに渡す仕事の管理方法"]
図9: アプリの設定は「使うかどうか」、HAGSは「どう管理するか」を変えます。
不具合を調べるときは、二つを同時に切り替えないようにします。どちらの変更で症状が変わったのか分からなくなるからです。タスクマネージャーの効率モードなど、CPU側の設定も同じで、変えるのは一度に一つにします。
切り替えて確かめる手順
表示の不具合をこの設定で切り分けるときは、次の順に進めます。会社が管理するPCでは、設定を変えられなくても制限を回避せず、管理者に相談してください。
- 作業中のファイルを保存し、いまの設定(オンかオフか)をメモします。
- 不具合が出るアプリだけ、ハードウェアアクセラレーションをオフにします。WindowsのHAGSなど、ほかの設定は変えません。
- アプリを再起動します。ChromeとEdgeは、設定を変えたあとに再起動する手順になっています64。
- 不具合が出ていた操作をもう一度行い、症状が消えたかを確かめます。
- 直った場合は、PCメーカーやGPUメーカーが案内するドライバーへ更新し、設定をオンに戻して、もう一度確かめます1。
- 直らなかった場合は、設定をオンに戻します。原因はGPUの処理以外にあると考え、拡張機能、プロファイル、アプリの更新などを調べます。
flowchart TB
accTitle: 設定を切り替えて確かめる手順
accDescr: いまの設定を記録し、一つのアプリだけオフにして再起動し、症状を確かめ、直ったらドライバーを更新してオンに戻し、直らなければオンに戻して別の原因を調べる手順を示す図。
A["いまの設定を記録"] --> B["そのアプリだけオフ"]
B --> C["アプリを再起動"]
C --> D{"症状が消えた?"}
D -->|"消えた"| E["ドライバー更新後にオンへ戻す"]
D -->|"消えない"| F["オンへ戻し別の原因を調べる"]
図10: どの手順でも、最後はオンに戻すところまで行います。
ドライバーを更新してオンに戻しても症状が出るなら、そのアプリとドライバーの組み合わせが合っていない可能性があります。オフのまま使うのは、その場合に限ります。CPUの負荷が増える点は、上で説明したとおりです。
まとめ
ブラウザーやOfficeのハードウェアアクセラレーションは、描画や動画の再生をGPUに任せる設定です。基本はオンのまま使い、画面が真っ白になる、映像が乱れるといった不具合が出たときに、一時的にオフにして原因を切り分けます。 直ったら、ドライバーを更新してオンに戻します。
ChromeとEdgeは chrome://settings/system・edge://settings/system で切り替え、chrome://gpu・edge://gpu で実際の状態を確かめます。OfficeはMicrosoft 365のExcelのように項目が削除されたバージョンがあり、新しいTeamsには公式に案内された設定が見当たりません。どちらもまずドライバーの更新から試します。WindowsのHAGSは別の設定なので、一緒に切り替えないようにします。
GPUまわりのほかの設定は次の記事で説明しています。
- Windowsの「ハードウェアアクセラレータによるGPUスケジューリング」とは? オンにすると速くなる?
- タスクマネージャーの「専用GPUメモリ」と「共有GPUメモリ」とは
- Windows効率モードとは - 緑の葉アイコンとオフにする方法
- 回線は速いのにRDPが重いのはなぜ? ── 入力・描画・通信を分けて調べる
参考リンク
-
Microsoft Learn, Fix Microsoft Edge stops responding or doesn’t start. グラフィックスドライバーの問題を除外するためにオフにし、直ったらドライバーを更新してオンに戻す手順。2026年5月29日版。 ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5
-
Microsoft Learn, Fix High CPU or memory usage in Microsoft Edge browser. ソフトウェアでの描画がCPU使用率を上げること、ハードウェアアクセラレーションが使われているかの確認。2026年5月29日版。 ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5
-
Microsoft Learn, 一部のOffice アプリが応答しない. Office 2013以降のハードウェアアクセラレーションの利用、Intelのドライバーの不具合、手動で無効にする手順とドライバー更新後に戻す勧め。旧版としてアーカイブされた資料。 ↩ ↩2 ↩3 ↩4
-
Microsoft Learn, Fix Edge Video Playback Problems. H.264のデコード経路、ハードウェアアクセラレーションを無効にしたときのソフトウェアデコーダーへの切り替え、edge://gpu の確認。2026年3月31日版。 ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6
-
Microsoft Learn, Display issues in Office client applications. Officeの表示の不具合の症状と原因、ドライバーの組み合わせによる自動無効化、リモートデスクトップのセッションでの無効化。旧版としてアーカイブされた資料。 ↩ ↩2 ↩3 ↩4
-
Google Chrome ヘルプ, Chrome がクラッシュする、起動しないなどの問題を解決する. パソコン版の「ハードウェア アクセラレーションの問題を解決する」の手順(設定→システム、オフにして再起動)。2026年11月3日確認。 ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5
-
YouTube ヘルプ, 動画プレーヤーに緑色の画面が表示される. 音は出るのに映像が緑色になるときに、Chromeでハードウェア アクセラレーションをオフにする手順。 ↩
-
Chrome for Developers, WebGPU: Troubleshooting tips and fixes. chrome://gpu での確認と、「Use graphics acceleration when available」をオフにするとWebGPUが無効になること。2025年10月17日更新。 ↩ ↩2
-
Chromium, settings_strings.grdp と generated_resources_ja.xtb. 設定項目の英語と日本語の表示文字列。2026年11月3日にmainブランチで確認。 ↩
-
Microsoft Learn, Microsoft Edge応答を停止するか、起動しない問題を修正する. 上記の日本語版(機械翻訳)。設定名の日本語表記。 ↩
-
Microsoft Learn, HardwareAccelerationModeEnabled. Edgeのグラフィックス アクセラレーションを固定するポリシー。反映にはブラウザーの再起動が必要。 ↩
-
Microsoft サポート, ハードウェア グラフィック アクセラレーションのオンとオフを切り替える. Microsoft 365用Excelデスクトップ版でオプションを削除したという告知。2026年11月3日確認。 ↩
-
Microsoft Learn, End of availability for classic Teams client. クラシック版Teamsが2025年7月1日に使えなくなったこと。 ↩
-
Microsoft Learn, ADMX_TerminalServer Policy CSP. 「Use hardware graphics adapters for all Remote Desktop Services sessions」の説明。ポリシー未構成のRD Session Hostでは既定のアダプターがMicrosoft Basic Render Driverになること。 ↩
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よくある質問
この記事のテーマについて、相談時によくある質問をまとめています。
- ハードウェアアクセラレーションはオンとオフのどちらにしておけばよいですか?
- 基本はオンのままにします。Microsoftの資料は、Edgeで動画が再生されないときやCPU使用率が高いときに、この設定がオンになっていることを確かめるよう案内しています。オフにするのは、画面が真っ白になる、表示が乱れるといった不具合の原因がGPUの処理にあるかを切り分けるときです。
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