ファイルサーバーからSharePoint・OneDriveに移すときに困ること ── パスの長さ・使えない名前・Excelのリンク・マクロ・Access
· 小村 豪 · SharePoint, OneDrive, Microsoft 365, ファイルサーバー, 移行, Excel, Access, 情シス
更新履歴(初版のみ・2026年11月01日公開)
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小村 豪(2026)「ファイルサーバーからSharePoint・OneDriveに移すときに困ること ── パスの長さ・使えない名前・Excelのリンク・マクロ・Access」合同会社小村ソフト. https://doi.org/10.5281/zenodo.23853972 https://comcomponent.com/blog/file-server-to-sharepoint-migration-pitfalls/
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社内のファイルサーバーを SharePoint や OneDrive に移すと、ファイルは移ったのに開けない、Excel の数字が更新されない、マクロが動かない、といった問題が出ることがあります。原因の多くは移行の前から分かるものです。パスの長さと使えない名前、パスを前提にしたブックやマクロ、Access のような置き場所を選ぶファイル、アクセス許可の移り方です。
この記事ではこうした問題を、移行の前に洗い出して直す順番で整理します。答えの要点は移す前にスキャンで名前とパスを点検し、パスを参照しているものを一覧にし、Access のように SharePoint から開かないほうがよいファイルを分けてから、小さな範囲で試して移すことです。
対象は Windows のファイルサーバー(共有フォルダー)から SharePoint Online のドキュメントライブラリや OneDrive に移す場面です。上限の数値や動作は 2026年11月時点の Microsoft の資料で確かめたもので、特定の環境で移行を試した結果ではありません。記事に出てくるパスやサイトの URL は説明のための例です。
移行で問題が出る4つの場所
移行で問題になるのは、大きく次の4つです。
- ファイルの名前とパス。SharePoint と OneDrive には、Windows のファイルサーバーとは別の長さの上限と、使えない名前があります。
- パスを前提にしているもの。Excel のブックのリンク、マクロ、スクリプト、業務アプリが、ファイルサーバーのパスを書いたまま残ります。
- ファイルの共有のしかた。Access のデータベースは SharePoint から開かないよう勧められています。Excel の同時編集は、ファイルサーバーと SharePoint で動き方が違います。
- アクセス許可。ファイルサーバーのアクセス許可は、すべてがそのまま移るわけではありません。
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accTitle: ファイルサーバーからの移行で問題が出る4つの場所
accDescr: 移行で問題が出る場所を、名前とパス、パスを前提にしているもの、ファイルの共有のしかた、アクセス許可の4つに分けて示す。
M["ファイルサーバーからSharePoint・OneDriveへの移行"]
M --> N["名前とパス"]
M --> R["パスを前提にしているもの"]
M --> S["ファイルの共有のしかた"]
M --> P["アクセス許可"]
N -.-> N1["長さの上限・使えない名前"]
R -.-> R1["リンク・マクロ・業務アプリ"]
S -.-> S1["Access・同時編集"]
P -.-> P1["移る許可と移らない許可"]
図1: 移行で問題が出る場所は、名前とパス、パスを前提にしているもの、共有のしかた、アクセス許可の4つに分けられる。
図の実線は常に成り立つ関係、破線は条件付きの関係です(成立条件は詳細ページの各関係の説明に記載)。関係すべての一覧(全7件、根拠・確度つき)と主要概念の定義は知識マップ詳細ページにまとめています。データ: JSON-LD / Turtle
パスの長さ
SharePoint と OneDrive の上限は400文字
SharePoint と OneDrive では、ファイル名を含めて URL デコードしたパス全体が400文字までです1。Microsoft の移行ツール Migration Manager は、テナントの URL、サイト、パス、文字のエンコードを含めて長さを数え、400文字を超えるものを報告します2。
移行先のパスは https://(テナント名).sharepoint.com/sites/(サイト名)/Shared Documents/… から始まるので、ファイルサーバー上のパス(\\fileserver\share\営業\…)の長さだけを見ていると、長さを少なく見積もることがあります。深いフォルダーをそのまま移すと、移行先の URL が上限を超えることがあります。
同期したPCとOfficeのアプリ
OneDrive の同期アプリは OneDrive のファイルや SharePoint のドキュメントライブラリを PC のフォルダーに同期するアプリです3。SharePoint や OneDrive の上限に収まっていても、PC に同期すると別の上限があります。OneDrive の同期アプリでは、ローカルのパス(400文字まで)に OneDrive の同期フォルダーの場所(120文字まで)を足した長さが520文字を超えると、同期のエラーになります1。
もう1つは Office のデスクトップアプリです。Windows の Word、PowerPoint、Excel は、パスが260文字を超えるファイルを、ローカルに保存してあっても開けません。Office のアプリが MAX_PATH(260)を前提にした古い Win32 API を使っているためです。また、Office のデスクトップアプリは元のファイルのパスに文字を足した一時的なロックファイルを作るので、パスが260文字に近いと、ロックファイルのパスが上限を超えて保存や読み込みでエラーになることがあります1。
flowchart TB
accTitle: SharePoint・同期・Officeのパスの上限
accDescr: SharePointとOneDriveの400文字、同期アプリでローカルのパスと同期フォルダーの場所を足した520文字、WindowsのOfficeデスクトップアプリの260文字という3つの上限を示す。
F["移したファイルのパス"]
F --> A["SharePoint・OneDrive: 400文字"]
F --> B["同期アプリ: 520文字"]
F --> C["Officeデスクトップアプリ: 260文字"]
A -.-> A1["URLデコード後のパス全体"]
B -.-> B1["ローカルのパスと同期フォルダーの合計"]
C -.-> C1["ロックファイルのパスはさらに長い"]
図2: クラウド、同期、Officeのアプリで、パスの長さの上限はそれぞれ違う。
実務ではいちばん厳しい Office の260文字を目安にフォルダーの深さと名前の長さを見直すことになります。Microsoft も名前を短くすること、入れ子を浅くすること、よく使うファイルを上の階層に置くことを勧めています1。Windows のパスの260文字の制限そのものは「MAX_PATHとWindowsのパス・ファイル名の落とし穴」で詳しく扱っています。
使えない文字と名前
SharePoint と OneDrive では、次の文字と名前を使えません4。
| 種類 | 内容 |
|---|---|
| 文字 | " * : < > ? / \ \| |
| 前後の空白 | 名前の先頭と末尾の空白 |
| 名前 | .lock、CON、PRN、AUX、NUL、COM0〜COM9、LPT0〜LPT9、desktop.ini |
| 名前の一部 | _vti_ を含む名前、~$ で始まる名前 |
| ライブラリの最上位 | forms という名前のファイルやフォルダー |
このうち上の行の文字と、CON や COM1 のような予約名は、Windows でもファイル名に使えません5。そのため、Windows のファイルサーバーから移すときに点検が要るのは、主に残りの行です。先頭に空白のある名前、~$ で始まる名前、desktop.ini がその例です。desktop.ini は、フォルダーのアイコンや表示を変えるために、そのフォルダーに置かれるファイルです6。
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accTitle: Windowsとの違いから見た使えない名前
accDescr: 使えない文字と予約名はWindowsでも使えないため移行元には少なく、先頭や末尾の空白、チルダとドルで始まる名前、desktop.ini、_vti_、ライブラリ最上位のformsはファイルサーバーにあり得るので点検の対象になることを示す。
X["SharePoint・OneDriveで使えない名前"]
X --> W["Windowsでも使えない"]
X --> O["Windowsでは使える"]
W -.-> W1["使えない文字・CONなどの予約名"]
O -.-> O1["先頭の空白・~$で始まる名前"]
O -.-> O2["desktop.ini・_vti_・最上位のforms"]
図3: Windowsでも使えない名前は移行元にほとんどないので、Windowsでは使える名前を重点的に点検する。
Migration Manager では、使えない名前のフォルダーはスキャンで「Scan file failure: The folder name is invalid」と報告され、使えない文字を含むファイル名は移行で 0x01110010 のエラーになります7。
件数・サイズ・アクセス許可の数の上限
名前とパスのほかに、次の上限があります4。
- 1ファイルの大きさは250 GBまでです。
- 同期するファイルとフォルダーは、合わせて30万件以内に収めるよう勧められています。これを超えると、すべてを同期していなくても動作が遅くなることがあります。
- 固有のアクセス許可を持つアイテムは、5万件までがサポートされる上限で、一般には5,000件以内が勧められています。
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accTitle: 件数・サイズ・アクセス許可の数の上限
accDescr: 1ファイル250GBまで、同期するアイテムは30万件以内を推奨、固有のアクセス許可を持つアイテムは5万件までサポートで5000件以内を推奨という3つの上限を示す。
L["名前とパス以外の上限"]
L --> S["1ファイル250GBまで"]
L --> Y["同期は合計30万件以内を推奨"]
L --> U["固有のアクセス許可: 5万件まで"]
U -.-> U1["一般には5,000件以内を推奨"]
図4: ファイルの大きさ、同期する件数、固有のアクセス許可の数にも上限がある。
ファイルサーバーでフォルダーごとに細かくアクセス許可を設定していると、移行先で固有のアクセス許可を持つアイテムが多くなります。Migration Manager にも、固有のアクセス許可が多すぎるときのエラー(0x02030003)があり、アクセス許可の一覧を簡単にするよう求めています7。
パスを前提にしているもの
移したファイルは \\fileserver\share\… のようなファイルサーバーのパスや、Z:\… のようなドライブ文字のパスでは開けなくなります。そのパスを中に書いているものは、移行と一緒に直す必要があります。
Excel のブックのリンク
ほかのブックのセルを参照している Excel のブックは、参照先のブックへのリンクを持っています。参照先が移動または削除されると、リンクは切れます8。
リンクはデータタブの「クエリと接続」から開く「ブックのリンク」の画面で一覧にできます。参照先を移したあとは、同じ画面の「ソースの変更」で新しい場所のブックを選び直します。「リンクの解除」は参照先に依存する数式をその時点の値に置き換えます。デスクトップ版の Excel では元に戻せないので、解除する前にブックのバックアップを保存しておきます8。
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accTitle: Excelのブックのリンクを移行に合わせて直す流れ
accDescr: 移行前にブックのリンクの画面で参照先を一覧にし、参照先を移したあとにソースの変更で新しい場所を選び直し、リンクを解除する場合は先にバックアップを取る流れを示す。
A["移行前: ブックのリンクの画面で参照先を一覧にする"] --> B["参照先のブックを移す"]
B --> C["ソースの変更で新しい場所を選ぶ"]
B -.-> D["リンクを解除するならバックアップを先に取る"]
図5: 移行前に参照先を一覧にしておき、移したあとでソースの変更で選び直す。
Excel for the web では、別のドメインにあるブックへのリンクは更新できません。テナントをまたぐリンクや別の地域にあるリンクが該当し、デスクトップ版で更新する必要があります8。
マクロ・スクリプト・業務アプリに書いたパス
VBA のマクロ、バッチファイル、PowerShell のスクリプト、社内の業務アプリには、\\fileserver\share\… や Z:\… のパスが直接書かれていることがあります。これらは移行後も同じパスを開こうとするので、移行の前にパスを書いている箇所を洗い出し、移行後の参照先を決めます。
参照先の決め方は同期した PC 上のパスで読むか、SharePoint の API で読むか、ファイルサーバーに残すかで変わります。同期した PC 上のファイルは、実体がクラウドにだけある状態のことがあり、手元にファイルがある前提で作った業務アプリでは問題になることがあります。この点は「OneDrive「ファイル オンデマンド」と業務アプリ」にまとめています。サービスや別のユーザーからファイルサーバーを読むときの注意は「ネットワークドライブとUNCパスの落とし穴」、Excel のマクロを Power Automate などに置き換える判断は「ExcelマクロVBAをPower Automateへ移行する」で扱っています。
Access のデータベース
Microsoft は、Access のデータベースは OneDrive や SharePoint のドキュメントライブラリに保存できるものの、そこから開くことは避けるよう勧めています。この勧めは1つのファイルのデータベースにも、分割したデータベースにも、.accdb、.accdc、.accde、.accdr の形式にも当てはまります9。
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accTitle: Accessのデータベースの移行での扱い
accDescr: Accessのデータベースは、分割したものや各形式も含めて、OneDriveやSharePointのライブラリから開くことを避けるよう勧められているため、移行の対象から分けて置き場所や作りを別に検討することを示す。
A["Accessのデータベース(.accdb・.accdeなど)"] --> B["SharePoint・OneDriveから開くのは避ける"]
B --> C["移行の対象から分ける"]
C --> D["置き場所や作りを別に検討する"]
図6: Accessのデータベースはほかのファイルと一緒に移さず、扱いを別に決める。
ファイルサーバーで複数の人が使っている Access は、ほかのファイルと一緒に移さず、移行の対象から分けます。そのうえで、データを SQL Server に移す、作り直すなどの選択肢を検討します。選び方は「VB6 / Access業務アプリの延命と移行」で扱っています。
同時に編集するときの違い
ファイルサーバーの Excel のブックは、誰かが開いていると、ほかの人は編集できません。SharePoint や OneDrive に置いたブックは、条件がそろえば複数の人が同時に編集(共同編集)できます。条件は次のとおりです10。
- ブックが OneDrive、OneDrive for Business、または Microsoft 365 の SharePoint にあること。
\\server\folderのようなサーバーのパスは対象外です。 - 形式が
.xlsx、.xlsm、.xlsbのどれかであること。Strict Open XML 形式は対象外です。 - 古い「共有ブック」の機能を切っていること。
- 共同編集に対応した Excel を使っていること。Excel 2016、2019、2021 LTSC は共同編集に対応していません。1人でも対応していないバージョンで開くと、ほかの人には「ロックされています」と表示されます。
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accTitle: Excelの共同編集の条件
accDescr: 共同編集できるのは、ブックがOneDriveかMicrosoft 365のSharePointにあり、xlsx・xlsm・xlsbの形式で、共有ブックを切り、対応したExcelで開くときで、1人でも対応していないバージョンで開くと他の人にはロックとして表示されることを示す。
A["SharePoint・OneDriveのブック"] --> B["形式はxlsx・xlsm・xlsbか"]
B --> C["共有ブックを切っているか"]
C --> D["全員が共同編集に対応したExcelか"]
D -->|"はい"| E["同時に編集できる"]
D -->|"1人でも非対応"| F["ほかの人にはロックと表示される"]
図7: 共同編集は、置き場所、形式、共有ブックの設定、Excelのバージョンがそろったときに使える。
移行の前に、社内で使っている Excel のバージョンと、共有ブックの機能を使っているブックを確かめておくと、移行後の「ロックされて開けない」という問い合わせを減らせます。
アクセス許可の移り方
Microsoft の SharePoint Migration Tool(SPMT)は、ファイル共有などの内容を SharePoint や OneDrive に移す無料のツールです11。SPMT では、ファイルサーバーのアクセス許可がどう移るかは、ユーザーが対応づいているかで決まります12。
- オンプレミスの Active Directory のアカウントを Microsoft Entra ID に同期するなどして、移行元のユーザーと Microsoft 365 のユーザーが対応づいていると、アクセス許可が移ります。
- 移るのは読み取り、書き込み、フルコントロールの3種類です。読み取りは「読み取り」、書き込みは「投稿」、フルコントロールは「フルコントロール」になります。
- 拒否のような特別なアクセス許可は移りません。
- ユーザーが対応づいていない場合は、移行先の既定のアクセス許可になります。
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accTitle: SharePoint Migration Toolでのアクセス許可の移り方
accDescr: ユーザーが対応づいていれば読み取りは読み取り、書き込みは投稿、フルコントロールはフルコントロールとして移り、拒否などの特別な許可は移らず、対応づいていなければ移行先の既定の許可になることを示す。
U["移行元のユーザーとMicrosoft 365のユーザーが対応づいているか"]
U -->|"対応づいている"| M["3種類のアクセス許可が移る"]
U -->|"対応づいていない"| D["移行先の既定のアクセス許可"]
U -.-> X["拒否などの特別な許可は移らない"]
M --> R["読み取り → 読み取り"]
M --> W["書き込み → 投稿"]
M --> F["フルコントロール → フルコントロール"]
図8: ユーザーが対応づいていれば3種類のアクセス許可が移るが、拒否は移らない。
拒否のアクセス許可で特定の人から隠していたフォルダーは、移行後に見えるようになるおそれがあります。移行の前にファイルサーバーのアクセス許可を一覧にし、拒否を使っている箇所と、フォルダーごとに細かく分けている箇所を確かめます。アクセス許可の一覧の取り方は「PowerShellでファイルサーバーのアクセス権を棚卸しする」で扱っています。移行先ではアクセス許可の単位をサイトやライブラリに寄せると、前の節の固有のアクセス許可の数も抑えられます。
移行の前に洗い出す
Migration Manager のスキャン
Migration Manager は SharePoint 管理センターの移行センターから使います7。移行元を追加すると、ルートの下のすべてのファイルを自動でスキャンします。結果にはファイル数とフォルダー数、パスの最大の長さ、ルートフォルダーにあるアクセス許可のエントリの数、移行の準備状況が出ます。準備状況が「Warning」のときは、使えない文字やフォルダーを読めないといった問題があります。全体の要約と、すべてのファイルを並べたスキャンのログをダウンロードできます2。
PowerShell で候補を一覧にする
スキャンの前に手元で当たりを付けたいときは、PowerShell で候補を一覧にできます。次のスクリプトは説明のための例です。移行先の URL を前に付けたパスが400文字を超えるもの、使えない文字や名前を含むものを CSV に書き出します。PowerShell 7 を前提にしているので、実際に使う前に小さなフォルダーで動きを確かめてください。このスクリプトは PowerShell 7.6 で、使えない文字・予約名・ブロックされる名前・前後の空白・長さの条件をそれぞれ含むテスト用のフォルダーに対して実行し、該当するものだけが書き出されることを確かめています。試したのは Linux 上のフォルダーで、Windows のファイルサーバーの UNC パスでは試していません。
param(
[Parameter(Mandatory)] [string] $Root, # 例: \\fileserver\share\営業
[Parameter(Mandatory)] [string] $TargetUrl, # 例: https://contoso.sharepoint.com/sites/sales/Shared Documents
[int] $Limit = 400,
[string] $OutFile = '.\migration-precheck.csv'
)
$badChars = '["*:<>?/\\|]'
$reserved = '^(CON|PRN|AUX|NUL|COM[0-9]|LPT[0-9])(\..*)?$'
$blocked = '^(\.lock|desktop\.ini)$|^~\$|_vti_'
Get-ChildItem -LiteralPath $Root -Recurse -Force -ErrorAction SilentlyContinue |
ForEach-Object {
$relative = $_.FullName.Substring($Root.Length).TrimStart('\', '/') -replace '\\', '/'
$target = "$TargetUrl/$relative"
$reasons = @()
if ($target.Length -gt $Limit) { $reasons += "length $($target.Length)" }
if ($_.Name -match $badChars) { $reasons += 'character' }
if ($_.Name -match $reserved) { $reasons += 'reserved name' }
if ($_.Name -match $blocked) { $reasons += 'blocked name' }
if ($_.Name -ne $_.Name.Trim()) { $reasons += 'leading or trailing space' }
if ($reasons) {
[pscustomobject]@{ Path = $_.FullName; Length = $target.Length; Reasons = $reasons -join ', ' }
}
} |
Export-Csv -Path $OutFile -NoTypeInformation -Encoding utf8
長さは移行先の URL と相対パスをつないだ文字数で、Migration Manager の数え方とは一致しないことがあります。最終的な判断には Migration Manager のスキャンの結果を使います。ライブラリの最上位の forms はこのスクリプトでは調べていません。
段階的に移す手順
ここまでの点検を、次の順に進めます。
- 移行元を一覧にします。Migration Manager のスキャンなどで、パスの長さ、使えない名前、ファイル数、アクセス許可の数を確かめます。
- 名前とパスを直します。長いパスは名前を短くするか、階層を浅くします。使えない名前は変えます。
- パスを前提にしているものを一覧にします。ブックのリンク、マクロ、スクリプト、業務アプリの設定に書かれたパスと、Access のファイルを書き出し、それぞれの移行後の扱いを決めます。
- 小さなフォルダーで試します。移したあとに、ファイルが開けるか、リンクを選び直せるか、アクセス許可が意図どおりかを確かめます。
- 残りを移します。この間も利用者はファイルサーバーを使い続けられます。
- ファイルサーバーの元のフォルダーを書き込み禁止にします。
- 同じ移行のタスクをもう一度実行し、前回のあとに更新・追加されたファイルを移します。Migration Manager は2回目以降の実行で、移行済みで変わっていないファイルを飛ばし、更新されたファイルと新しいファイルだけを移します13。
- 切り替えます。移行先でファイルが開けることを確かめてから、利用者に新しい場所を知らせます。
先に書き込み禁止にしてから最後の差分を移すのは、5の作業のあとに元のフォルダーで編集されたファイルを取りこぼさないためです。移行元と移行先の両方でファイルが更新され、移行先のほうが新しい場合は、差分の移行でも移行元の変更は移されません13。
flowchart TB
accTitle: ファイルサーバーからの段階的な移行の手順
accDescr: 移行元の一覧化とスキャン、名前とパスの修正、パスを前提にしているものの一覧化、小さなフォルダーでの試行、残りの移行、元のフォルダーの書き込み禁止、差分の移行、確認と利用者への告知の順に進めることを示す。
A["1. 移行元を一覧にしてスキャンする"] --> B["2. 名前とパスを直す"]
B --> C["3. パスを前提にしているものを一覧にする"]
C --> D["4. 小さなフォルダーで試す"]
D --> E["5. 残りを移す"]
E --> F["6. 元のフォルダーを書き込み禁止にする"]
F --> G["7. 差分をもう一度移す"]
G --> H["8. 確かめて利用者に知らせる"]
図9: 点検と修正を先に済ませ、小さく試してから残りを移し、書き込みを止めて差分を移してから切り替える。
この順番は資料をもとにした記事としての提案です。会社の規模や使い方によって、試す範囲や切り替えの時期は変わります。
関連記事
- MAX_PATHとWindowsのパス・ファイル名の落とし穴
- OneDrive「ファイル オンデマンド」と業務アプリ
- ネットワークドライブとUNCパスの落とし穴
- Excel台帳をSharePointリストへ置き換える
- VB6 / Access業務アプリの延命と移行
- ExcelマクロVBAをPower Automateへ移行する
参考リンク
-
Microsoft Support, What are the file path length limits?. OneDriveとSharePointの400文字、同期アプリの520文字、WindowsのOfficeデスクトップアプリの260文字、ロックファイルの影響と、パスを短くする方法。 ↩ ↩2 ↩3 ↩4
-
Microsoft Learn, Migration Manager scan. スキャンの内容と報告の列、パスの長さの数え方、ログのダウンロード。 ↩ ↩2
-
Microsoft Support, Sync SharePoint and Teams files with your computer. SharePointとTeamsのファイルをOneDriveの同期アプリでPCのフォルダーに同期する方法。 ↩
-
Microsoft Support, Restrictions and limitations in OneDrive and SharePoint. 使えない文字と名前、ファイルの大きさ、同期する件数、固有のアクセス許可の数の上限。 ↩ ↩2
-
Microsoft Learn, Naming Files, Paths, and Namespaces. Windowsのファイル名に使えない文字と予約名。 ↩
-
Microsoft Learn, How to Customize Folders with Desktop.ini. desktop.iniでフォルダーのアイコンや表示を変える方法。 ↩
-
Microsoft Learn, Troubleshoot Migration Manager. SharePoint管理センターの移行センターの場所と、使えない名前、長すぎるパス、使えない文字、固有のアクセス許可の多さに関するエラー。 ↩ ↩2 ↩3
-
Microsoft Support, Manage workbook links. ブックのリンクの画面、ソースの変更、リンクの解除、Excel for the webでのドメインをまたぐリンク。 ↩ ↩2 ↩3
-
Microsoft Support, Excel file is locked for editing. 共同編集に必要な置き場所、形式、共有ブックの設定、Excelのバージョン。 ↩
-
Microsoft Learn, SharePoint Migration Tool for SharePoint and OneDrive. SPMTの概要と、移行元として扱えるファイル共有。 ↩
-
Microsoft Learn, File and folder permissions when using the SharePoint Migration Tool. ユーザーの対応づけ、移るアクセス許可の種類と対応、拒否が移らないこと。 ↩
-
Microsoft Learn, Delta Sync. 2回目以降の移行(差分の移行)で、移行済みで変わっていないファイルを飛ばし、更新されたファイルと新しいファイルを移すこと。移行元と移行先の両方で更新され移行先のほうが新しい場合は移さないこと。 ↩ ↩2
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どのファイルをSharePointに移し、どの仕組みを残すか、移行の順番をどうするかを整理する段階から相談できます。
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ファイルサーバーのパスを前提にしたマクロや業務アプリを、移行後の保存先に合わせて直す作業として扱えます。
よくある質問
この記事のテーマについて、相談時によくある質問をまとめています。
- SharePointやOneDriveではパスは何文字まで使えますか?
- Microsoftの資料では、ファイル名を含めてURLデコードしたパス全体が400文字までです。PCに同期する場合は、同期フォルダーの場所の長さも足されます。WindowsのOfficeデスクトップアプリは、パスが260文字を超えるファイルを開けません。
- AccessのデータベースをSharePointに置いて共有してよいですか?
- Microsoftは、AccessのデータベースはOneDriveやSharePointのドキュメントライブラリに保存できるものの、そこから開くことは避けるよう勧めています。分割したデータベースや.accdeなどの形式も対象です。多人数で使うAccessは、移行の前に別の置き場所や作りを検討します。
- ファイルサーバーのアクセス許可はそのまま移りますか?
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