知識マップ: 共有フォルダにつながったり、つながらなかったりする理由 ── Kerberos・NTLM・資格情報を切り分ける

記事「共有フォルダにつながったり、つながらなかったりする理由 ── Kerberos・NTLM・資格情報を切り分ける」の主張を、概念と関係(エッジ)に分解した知識グラフの全体です。各関係には根拠・確認日・確度が付いています。

共有フォルダの調査では、TCPの到達性、接続に使う主体、認証と保護条件、実際のファイル操作の権限を順に区別する。保存済み資格情報、成立済みSMBセッション、Kerberosチケットは別の状態であり、成功時と失敗時を同じ条件で記録する。名前やSPN、ログオンセッション、1219、空パスワード、ゲスト、署名、NTLMブロックはそれぞれ別の確認対象となる。チケットがあることや再起動で改善したことだけでは原因を断定せず、サーバー側の記録と照合する。

共有フォルダの接続・認証トラブルの知識マップTCPの到達性、KerberosとSPN、保存済み資格情報とSMBセッション、ログオンセッション、ゲスト・署名・NTLM制限、認証ログの関係を示します。確認できる範囲と条件付きの関係を区別します。で確認できる利用する利用する前提とする利用するに保存されるに保存されるで確認できるに保存される前提とする推奨される対応利用する用いるのは非推奨原因になり得る両立しない防止する防止するで確認できる利用するSMB(TCP 445)成立済みSMBセッションKerberosNTLMTCPポートへの到達性Test-NetConnectionSPNKerberosサービスチケットKerberosチケットキャッシュログオンセッションGet-SmbConnectionネットワークドライブ(マップされたドライブ文字)WindowsサービスUNCパスLocalSystemアカウントコンピューターアカウント(PC$)S4Uログオンnet use コマンドエラー1219(ERROR_SESSION_CREDENTIAL_CONFLICT)SMBゲスト接続SMB署名空パスワードのローカルアカウント制限空パスワードのネットワークログオンSMBクライアント側のNTLMブロックイベント4776(資格情報の検証)イベント4625(ログオン失敗)ログオン失敗のStatus/Sub Statusコード

概念間の関係(全19件)

図と同じ関係を文章でも列挙します。表示している文と機械可読な意味データ(RDFa)は同じ要素に載っています。確度が「確立した関係」のものは直接の関係として、「条件付きの関係」のものは成立条件つきの言明(rdf:Statement)として表現しています。

主要概念の定義

SMB(TCP 445)
ファイル共有とリモート名前付きパイプが使うプロトコルとポート。
成立済みSMBセッション
SMBの認証を経て成立した、資格情報に結び付く接続状態。既存セッションの再利用と新規認証を区別して調査する。保存済み資格情報やチケットキャッシュとは別に観察する。
Kerberos
チケットによる一度だけの本人確認と相互認証を提供する認証プロトコル。Windows ServerはKerberos version 5と、公開鍵認証・認可データの転送・委任のための拡張を実装する。
NTLM
パスワードの一方向ハッシュを使ったチャレンジ/レスポンス方式の認証プロトコル群(LANMAN・NTLMv1・NTLMv2を含む)。相互認証を持たず、サーバーが本物であると仮定できる環境向けに設計されている。
TCPポートへの到達性
ある接続元から指定した接続先のTCPポートへ、特定の時点でTCP接続を確立できること。TCPの接続成功は、待受側とのアプリケーションプロトコルの交渉、認証、アクセス許可の成功までは証明しない。
Kerberosサービスチケット
TGS交換でKDCが発行する、接続先サービスの長期鍵で暗号化されたチケット。宛先サービスの長期鍵でしか復号できないため、別のサービスへ持ち込んでも使えない。
Kerberosチケットキャッシュ
ログオンセッションごとに管理されるKerberosチケットのキャッシュ。klistで確認できるが、チケットがあるだけでは特定のSMB接続で使用・受理されたことを証明しない。
ネットワークドライブ(マップされたドライブ文字)
UNCパスの共有フォルダーに割り当てたドライブ文字(Z:など)で、実体はログオンセッション固有のシンボリックリンクオブジェクト(DosDevices)である。
Windowsサービス
ユーザーのサインインと無関係にバックグラウンドで動くWindowsのプロセス。
UNCパス
\\サーバー名\共有名\...の形式で共有フォルダーの実体を指す、Windowsのユニバーサル命名規則によるパス表記。
LocalSystemアカウント
サービスの実行アカウントの1つ。ローカルでは広範な特権を持つ一方、ネットワーク上ではコンピューターの資格情報としてリモートサーバーに認証される。
S4Uログオン
パスワードを保存せずにユーザーとしてタスクを実行するログオン方式。タスクスケジューラの「パスワードを保存しない」構成で使われ、ネットワークにも暗号化ファイル(EFS)にもアクセスできない。
net use コマンド
指定したユーザー名でUNCパスの共有資源への接続を、実行したログオンセッションに確立するコマンド。サービス内での実行は資格情報の漏えいや干渉の観点から非推奨とされる。
SMBゲスト接続
共有サーバーがゲストとして受け入れるSMB接続。空パスワードのローカルアカウントによるログオンとは別で、通常のSMB署名・暗号化には対応しない。
空パスワードのローカルアカウント制限
有効な場合に、空パスワードのローカルアカウントの利用をコンソールログオンへ制限するWindowsのセキュリティポリシー。ゲスト接続の許可設定とは別の制御。
SMBクライアント側のNTLMブロック
SMBクライアントがリモートへの送信接続でNTLM認証をブロックする、Windows Server 2025/Windows 11 バージョン24H2以降の機能。接続先のSMBサーバーがKerberosまたはPKU2Uを使えることが前提。
イベント4625(ログオン失敗)
アカウントがログオンに失敗したときに記録される監査イベント。

機械可読データ

このデータセットについて

作成
合同会社小村ソフト
ライセンス
CC BY 4.0 ── 出典(合同会社小村ソフト)とライセンスへのリンクを明示し、改変した場合はその旨を示すことを条件に、再配布・改変を含めて再利用できます
最終確認日
2026-09-08 ── 収録する関係のうち、最後に出典と照合した日

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