知識マップ: 図解でわかるNTLMとKerberos ── なぜ認証はNTLMに「落ちる」のか

記事「図解でわかるNTLMとKerberos ── なぜ認証はNTLMに「落ちる」のか」の主張を、概念と関係(エッジ)に分解した知識グラフの全体です。各関係には根拠・確認日・確度が付いています。

NTLMはパスワードのハッシュを持っていることだけをチャレンジ/レスポンスで証明するプロトコルで、相互認証を持たず宛先を縛りません。Kerberosは接続先のSPNを鍵にチケットを発行し、相互認証と宛先の縛りを提供します。NegotiateはKerberosを優先しますが、SPNが引けない・ワークグループ・DCに届かないといった条件でNTLMへ落ち、この設計の隙がリレー攻撃とPass-the-Hashを成立させます。

NTLMとKerberosの知識マップNTLMとKerberosという2つの認証プロトコルの仕組みの違い(チャレンジ/レスポンスとチケット、相互認証の有無、ドメインコントローラーへの依存、委任)、NegotiateがNTLMへ落ちる条件(SPN・名前解決・ワークグループ・DC到達性)、リレー攻撃とPass-the-Hashが成立する理由とSMB署名による防御、NTLMv1/NTLMv2の非推奨・削除状況の関係を示す図利用する利用する前提とする前提とする前提とする利用する利用する前提とする実装を担う原因になり得る原因になり得る防止する防止する両立しない前提とする前提とするの後継前提とするの後継利用する利用する利用する原因になり得る防止する実装を担うで構成できるで確認できる前提とする前提とする前提とする軽減する軽減する推奨される対応前提とする前提とするNTLMKerberosNegotiateSPNKDCActive Directory(AD DS)TGT(チケット許可チケット)Kerberosサービスチケット相互認証NTLMリレー攻撃Pass-the-HashSMB署名ワークグループ構成ドメインコントローラーKerberosの時刻同期要件NTLMv2NTLMv1NTハッシュSMBクライアント側のNTLMブロックKerberosの委任「NTLMを制限する」ポリシー群NTLM/OperationalログIAKerbローカルKDCTryIPSPN

概念間の関係(全35件)

図と同じ関係を文章でも列挙します。表示している文と機械可読な意味データ(RDFa)は同じ要素に載っています。確度が「確立した関係」のものは直接の関係として、「条件付きの関係」のものは成立条件つきの言明(rdf:Statement)として表現しています。

主要概念の定義

NTLM
パスワードの一方向ハッシュを使ったチャレンジ/レスポンス方式の認証プロトコル群(LANMAN・NTLMv1・NTLMv2を含む)。相互認証を持たず、サーバーが本物であると仮定できる環境向けに設計されている。
Kerberos
チケットによる一度だけの本人確認と相互認証を提供する認証プロトコル。Windows ServerはKerberos version 5と、公開鍵認証・認可データの転送・委任のための拡張を実装する。
Negotiate
KerberosとNTLMのどちらかを選択するセキュリティパッケージ。認証に関わるシステムのいずれかがKerberosを使えない場合を除き、Kerberosを選択する。
KDC
ドメインコントローラー上で動作し、Active Directory Domain Servicesのデータベースをセキュリティアカウントデータベースとして使う、Kerberosのチケット発行サービス。
Kerberosサービスチケット
TGS交換でKDCが発行する、接続先サービスの長期鍵で暗号化されたチケット。宛先サービスの長期鍵でしか復号できないため、別のサービスへ持ち込んでも使えない。
SMB署名
SMBの全メッセージにセッション鍵由来の署名(メッセージ全体のハッシュと送信者・受信者の識別情報を含む)を付け、改ざんとリレー攻撃を検知する仕組み。Windows 11 24H2/Windows Server 2025で既定値が強化された。
ワークグループ構成
Active Directoryドメインに参加しない、Kerberosの土俵にないWindowsのネットワーク構成。この構成のシステムのWindows認証には依然としてNTLMが使われ、使われなければならない。
NTLMv2
NTLMプロトコル群の第2版。応答鍵をHMAC-MD5でNTハッシュから導出し、HMACで応答(NTProofStr)を計算する。非推奨だが現在も動作する。
SMBクライアント側のNTLMブロック
SMBクライアントがリモートへの送信接続でNTLM認証をブロックする、Windows Server 2025/Windows 11 バージョン24H2以降の機能。接続先のSMBサーバーがKerberosまたはPKU2Uを使えることが前提。
「NTLMを制限する」ポリシー群
送信NTLMトラフィック・受信NTLMトラフィック・ドメイン内NTLM認証を、監査から拒否まで段階的に制御できるセキュリティポリシー群。
NTLMリレー攻撃
攻撃者が被害者とサーバーの間でNTLMのチャレンジ/レスポンスをそのまま中継し、被害者になりすます攻撃。応答が宛先を縛らないNTLMの弱点を突く。
Pass-the-Hash
盗んだパスワードのハッシュ(NTハッシュ)を使って、平文パスワードを知らないままNTLM認証を通過する攻撃。
IAKerb
ドメインコントローラーへの到達性の問題を解くためのプロキシ対応Kerberos拡張。NTLM廃止フェーズ2(2026年後半予定)で提供される機能。
ローカルKDC
ローカルアカウント認証にもKerberosを使えるようにする機能。NTLM廃止フェーズ2(2026年後半予定)で提供される機能で、対応するWindows同士でのみ効く。
ドメインコントローラー
Active Directoryのディレクトリサービスを提供し、KDCの機能やNTLMのパススルー認証の相手を担うサーバー。
TryIPSPN
SPNのホスト名としてIPアドレスを使えるようにするクライアント側のレジストリ設定(TryIPSPN)。DNS名に変更できない場合の最後の手段として、IPアドレスのSPNを手動登録する。

機械可読データ

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