知識マップ: 装置に載せるOSとしてOpenHarmonyは選択肢になるか ── Windows IoT・組込みLinuxとの比較

記事「装置に載せるOSとしてOpenHarmonyは選択肢になるか ── Windows IoT・組込みLinuxとの比較」の主張を、概念と関係(エッジ)に分解した知識グラフの全体です。各関係には根拠・確認日・確度が付いています。

装置に載せるOSの選定では、機能比較より先に保守期間とベンダーSDKの対応が結果を決めます。OpenHarmonyのコミュニティ保守はReleaseブランチで2年、LTSブランチでも3.5年しかなく、10年稼働する装置にはWindows 11 IoT Enterprise LTSC 2024の固定10年サポートや商用ディストリビューションのベンダー保守が必要です。一方でOpenHarmonyはリソース下限が圧倒的に低く、128 KiBのMCUから動く軽量システムを持つため、機器連携や超小型機器が製品価値の中心にある場合は正面から検討する価値があります。

装置OS選定(OpenHarmony・Windows IoT・組込みLinux)の知識マップOpenHarmonyと、比較対象のWindows IoT Enterprise LTSC・組込みLinux(Debian/Yocto)を、10年ライフサイクルの装置という要求、Releaseブランチ・LTSブランチの保守期間、商用ディストリビューションのベンダー保守、システムタイプ別のリソース下限、ベンダーSDK依存、既存Windows資産、HDF・ライセンス構成、互換性測評(XTS/ACTS/DCTS/HATS)、Eclipse Oniroの関係で示す図推奨される対応用いるのは非推奨用いるのは非推奨前提とする推奨される対応利用する利用する推奨される対応推奨される対応両立しない実装を担う実装を担う利用する利用する利用する利用する利用する利用する用いるのは非推奨推奨される対応両立しない利用する利用する利用するで確認できる前提とする利用する利用する利用する利用する両立しない両立しない利用する前提とするOpenHarmonyWindows IoT Enterprise LTSC組込みLinux10年ライフサイクルの装置ReleaseブランチLTSブランチ商用ディストリビューションのベンダー保守Yocto ProjectDebian軽量システム(Mini)標準システム(Standard)LinuxカーネルHDF(Hardware Driver Foundation)GPLv2Apache License 2.0BSD 3条項ライセンスCC BY 4.0産業用ベンダーSDKへの依存既存Windows装置ソフト資産DevEco Device ToolGN + Ninjarepoツールdevice_qemu(QEMUエミュレーション環境)OpenHarmony互換性測評(認証)XTS(X Test Suite)ACTS(アプリケーション互換性テストスイート)DCTS(デバイス互換性テストスイート)HATS(ハードウェア抽象層互換性テストスイート)AppGalleryHMS(Huawei Mobile Services)Eclipse Oniro for OpenHarmonyEclipse Foundation

概念間の関係(全34件)

図と同じ関係を文章でも列挙します。表示している文と機械可読な意味データ(RDFa)は同じ要素に載っています。確度が「確立した関係」のものは直接の関係として、「条件付きの関係」のものは成立条件つきの言明(rdf:Statement)として表現しています。

主要概念の定義

OpenHarmony
OpenAtom財団(開放原子開源基金会)が育成・運営する、全シナリオのスマートデバイス向けオープンソース分散OSフレームワーク。カーネル層・システムサービス層・フレームワーク層・アプリケーション層の4層構造を持つ。
Windows IoT Enterprise LTSC
機能更新を入れずセキュリティ更新だけを長期間提供するWindowsの提供モデル(LTSC)にもとづく、装置向けの固定ライフサイクルWindows製品。2024版は2034年10月まで10年サポート。
組込みLinux
産業機器・組み込み機器に搭載するLinuxディストリビューション。Debianのような既成ディストリビューションをベースにする場合と、Yocto Projectのようなビルド枠組みで自社製ディストリビューションを作る場合がある。
Releaseブランチ
OpenHarmonyコミュニティの通常保守ブランチ。生命周期は2年(主動保守1年+受動保守1年)。
LTSブランチ
OpenHarmonyコミュニティの長期保守ブランチ。生命周期は3.5年(主動保守2年+受動保守1.5年)だが、2021年9月の3.0-LTS以降は新規に公開されていない。
商用ディストリビューションのベンダー保守
OpenHarmonyコミュニティ版を土台に商用ベンダーが独自にブランチを保守し、有償でサポートを提供する運用形態。コミュニティ保守の期間不足を補う前提になる。
Debian
コミュニティが開発する汎用Linuxディストリビューション。Debian LTSプロジェクトが各安定版リリースの寿命を少なくとも5年に延長する。
Yocto Project
完成したOSではなく、レシピ(ビルド手順の定義)を組み合わせて自社製品用のLinuxディストリビューションをビルドする枠組み。LTSリリースは4年間サポートされる。
軽量システム(Mini)
Arm Cortex-Mや32ビットRISC-VなどのMCU向けの、最小128 KiBメモリから動作するOpenHarmonyの基本システムタイプ。カーネルはLiteOS-M。
標準システム(Standard)
Arm Cortex-Aなどのアプリケーションプロセッサ向けの、最小128 MiBメモリから動作するOpenHarmonyの基本システムタイプ。完全なアプリケーションフレームワークを持ち、カーネルはLinux。
OpenHarmony互換性測評(認証)
製品として「OpenHarmony互換」を対外的にうたうために通す必要がある、OpenAtom財団の認証プロセス。技術的な土台はXTS。
XTS(X Test Suite)
OpenHarmony互換性テストスイート群の総称。OpenAtom財団の互換性測評(認証)の技術的な土台になる。
Eclipse Oniro for OpenHarmony
OpenHarmonyの基盤層の上に構築される、Eclipse Foundationが運営する欧州発のディストリビューションプロジェクト。React Nativeサポート、Eclipse TheiaベースのIDE、Servoウェブエンジンなどを追加する。ライセンスはApache 2.0とMIT。2026年7月時点でIncubating。

機械可読データ

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